本研究は,ホール素子と永久磁石の位置変化による接触力検出とホール素子自体の温度特性を利用した温度検出の両機能を有する人工指や人工皮膚の構成手法の提案を目的とする.接触力と温度の同時検出を行うために,2つのInSbホール素子と永久磁石を弾性材料に埋め込んだ2種類の人工指を作製した.本研究の特徴は,これら2つのホール素子は,それぞれ定電流駆動と定電圧駆動によってホール電圧を出力し,その2種類のホール電圧から応答曲面関数によって,入力情報である接触力と温度を同時に求めることである.実験結果より,InSbホール素子のみで接触力と温度を同時に検出しうることが示された.
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