• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

ランダムラフ集合による大規模感性データマイニングシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23700244
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

工藤 康生  室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90360966)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードラフ集合 / 縮約計算 / 統計的集団学習
研究概要

本年度は,統計的集団学習の手法をラフ集合に導入することにより,大規模データからリサンプリングにより多数個の小規模データ(決定表)を作成し,各決定表に対して縮約計算および決定ルールを抽出し,その結果を分析・統合することで大規模データ全体に対する縮約計算および決定ルール抽出を近似的に行う手法として,ランダムラフ集合の数理モデルの構築およびサーバ上での試作に関する研究を行った.具体的には,1.より簡潔な決定ルールを抽出するための値縮約の改良手法の提案,および2.縮約抽出手法の並列分散化に関する下記の研究を主に行った.1.値縮約の改良手法の提案:決定表からより簡潔かつ正確な決定ルールを抽出することは,ランダムラフ集合モデルによる近似的な決定ルール抽出において,より有用な決定ルールを抽出することに寄与すると期待される.本研究では,簡潔なルールを抽出するための値縮約の従来手法を改良し,より簡潔な決定ルールが得られることを実験的に確認した.本手法と,項目数の多いデータからできるだけ多くの縮約を抽出する手法(申請者の従来研究)とを併用することにより,大規模データからより有用な決定ルールを抽出できることが期待される.2.縮約抽出手法の並列分散化:ランダムラフ集合モデルを用いて縮約計算を近似的に行う際に,縮約計算を並列分散化することによる計算の高速化は,本申請で構築する大規模感性データマイニングシステムの実現に向けた重要な項目の一つである.本研究では,項目数の多いデータからできるだけ多くの縮約を抽出する手法(申請者の従来研究)を並列分散化し,水冷静音サーバ上で実装することにより,大規模データに対してより高速に縮約計算を行えることを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ランダムラフ集合の数理モデル構築に関しては,値縮約の改良手法の提案を行い,その成果は雑誌論文として掲載される予定である(採録決定:雑誌論文欄参照).また,サーバ上での試作については,縮約抽出手法の並列分散化の手法を提案しサーバ上での試作・検証を行った.その成果は既に国内研究会で発表している(学会発表参照).更に,大規模データからリサンプリングにより多数個の小規模データ(決定表)を作成する手法については,今年度の研究成果の学会発表を今夏に行う予定である.以上より,本申請の現在までの達成度は,おおむね順調であると考えている.

今後の研究の推進方策

今年度は,リサンプリングにより多数個の小規模データ(決定表)を作成する手法に関する研究成果を発表すると共に,この手法と既に試作済みである縮約計算の並列分散化とを組み合わせることで,本申請の目的である大規模感性データマイニングシステムの構築を進める.本システムの実装は今年末の完了を目指す.本システムの検証および評価実験の実施と並行して,ランダムラフ集合モデルに関する研究成果の発表(学会発表・論文投稿など)を進める.

次年度の研究費の使用計画

次年度の研究費は,大規模感性データマイニングシステムの開発作業用PCおよび論文別刷,文献資料などの購入(物件費),研究打ち合わせおよび国内外の会議での成果発表旅費,投稿論文の英文校正など(謝金),学会参加費および論文投稿・掲載料など(その他)に使用する予定である.なお,次年度使用額分は,本年度の研究成果に基づく論文(採録決定:雑誌論文欄参照)の採録決定が次年度にずれ込んだため生じた費用であるため,本経費はこの論文の掲載に関わる費用(英文校正費,論文掲載費など)に使用する予定である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A Revised Approach to Solving the Symbolic Value Partition Problem from a Viewpoint of Roughness of Partitions2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuo Kudo and Tetsuya Murai
    • 雑誌名

      Int. J. Reasoning-based Intelligent Systems

      巻: (未定:採録決定) ページ: (未定)

    • 査読あり
  • [学会発表] ラフ集合におけるヒューリスティックな縮約計算の並列化の試み2012

    • 著者名/発表者名
      工藤康生, 岡田隆生, 村井哲也
    • 学会等名
      第7回日本感性工学会春季大会
    • 発表場所
      高松サンポート・ホール(高松市)
    • 年月日
      2012年3月3日
  • [学会発表] An Attempt of Reconstruction of Object-Oriented Rough Set Models2011

    • 著者名/発表者名
      Yasuo Kudo, Ken Kaneiwa, and Tetsuya Murai
    • 学会等名
      2011 IEEE International Conference on Granular Computing
    • 発表場所
      Garden Villa Hotel(高雄,台湾)
    • 年月日
      2011年11月10日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi