研究課題
本年度は,大規模データに対するラフ集合を用いたデータマイニングの実現を目的とし,昨年度に実施した,大規模データに対する縮約計算を近似的に行う手法(ランダムラフ集合モデル)の理論構築およびサーバ上での試作を踏まえ,下記の研究を主に行った.1.縮約抽出手法の並列分散化:ランダムラフ集合モデルを用いて縮約計算を近似的に行う際に,縮約計算を並列分散化することによる計算の高速化は,本申請の目的である大規模データに対するラフ集合データマイニングの実現に向けた重要な項目の一つである.本研究では前年度に引き続き,項目数の多いデータからできるだけ多くの縮約を抽出する手法(申請者の従来研究)の並列分散化についてより詳細な評価実験を行い,縮約計算の高速化に対する有用性を検証した.2.ランダムラフ集合に基づくデータマイニング手法の実装:昨年度および上記1.の成果を用いて,大規模データからリサンプリングにより多数個の小規模データ(決定表)を作成し,各決定表に対して縮約計算を行いその結果を分析・統合する機能を実装することで,ランダムラフ集合に基づくデータマイニングを実現し,その有効性を実験により検証した.研究期間全体を通じての成果として,ランダムラフ集合の基礎理論の構築,および縮約抽出手法の並列分散化,ランダムラフ集合に基づくデータマイニング手法の実装を行った.その結果,大規模データに対するランダムラフ集合に基づくデータマイニングについて,基盤技術を確立することができたと考える.
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Journal of Advanced Computational Intelligence & Intelligent Informatics
巻: Vol. 17 No. 3 ページ: 371-376