研究課題
今年度、本研究の最終年度として、これまでに得られた知見を最大限に活用し、3つの応用領域における試験的展開を行った。1. まず応用事例の1つめとして、テキストデータ、特にインターネット上に公開されている電子テキストを対象に形式概念分析を適用し、その視覚化を行った。この応用の枠組みでは、国会議事録をはじめニュースサイトなどへの適用を行い、国会議事録の視覚化においては、東日本大震災前後において重点的に議論されていた項目等が、適切な情報粒度で抽出することができることを確認した。2. 応用事例の2つめとして、農業分野における育種支援のツールとして、形式概念分析を利用したゲノム配列の視覚化を行った。これに関しては、実際にシステムの実装を行い、この結果を育種の専門家に評価してもらい高い評価を得るとともに、その成果は国際雑誌論文に採録されている。3. 応用事例の3つめとして、医療診断における診断支援ツールとして、形式概念分析とニューラルネットワークを組み合わせたシステムを開発し、それを実際の医療データに適用した。この研究成果については、国際会議等において報告している。以上、本研究では、これまでの3年間の研究を通して、形式概念分析を利用した (1) 検索結果の視覚化、(2) 動画検索結果の視覚化および推薦理由の明示、(3) 画像検索結果の視覚化、(4) 電子テキスト(特に議事録)の視覚化、(5) 育種支援のためのゲノム配列の視覚化、(6) 医療診断支援のための視覚化、という6つの多様な分野への応用を行い、それぞれの分野において高い評価を得るとともに、具体的な業績として多くの雑誌論文および国際会議において採録されており、本研究はこれらの観点から十分な成果が得られていると言える。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)
Evolving Systems
10.1007/s12530-012-9071-4
日本知能情報ファジィ学会誌
巻: Vol.25, No.1 ページ: 624-635
ournal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics
巻: 17 ページ: 761-771