本研究課題では,認知神経科学分野における主要な研究テーマの一つであるヒトの身体的自己意識の操作において,ロボティクス・ハプティクス技術を用いた新しいアプローチを提案した.特に,ラバーハンドイリュージョンとフルボディイリュージョンに注目し,アクティブセルフタッチ(実験参加者自身が仮想身体に刺激を能動的に与え,かつ,その刺激を自身の身体に受ける)というこれまでにない新しい刺激提示方法を提案し,マスタスレーブシステムと力提示技術を活用して実現した.これにより,ヒトの身体所有感と力覚・行動主体性などとの関係についての議論を可能とし,ヒトの身体的自己意識に関わる新たな知見および可能性を得た.
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