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2011 年度 実施状況報告書

人工エージェントの内部状態を直観的かつ正確に伝達する低コストな表現手法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 23700248
研究機関信州大学

研究代表者

小松 孝徳  信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (30363716)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード感性情報学 / 認知科学 / ヒューマン・コンピュータ・インタラクション / ヒューマン・エージェント・インタラクション / 認知心理実験
研究概要

平成23年度の研究活動では,まず,ロボットや擬人化エージェントなどの人工エージェントの内部状態をユーザに直観的かつ正確に伝達する低コストな表現をArtificial Subtle Expressions (ASE)と名付け,このASEが設計段階にて満たすべき「設計的要件」およびASEが使用される時点で満たすべき「機能的要件」を提案した.設計的要件としては,ASEが単一のモダリティで構成される「シンプル」,ASEは人工エージェントとユーザとのコミュニケーションにおいて主たるプロトコルを阻害せずに補完的な役割を果たす「補完的」という二つを,機能的要件としては,ASEに関する事前知識がないユーザであってもASEの伝達内容を解釈できる「直観的」,設計者の意図した特定の意味が,その意図通りにユーザに伝達される「正確」という二つを設定した.そして,二つの設計的要件を満たした人工音としてのASEを作成し,実際に人工エージェントからユーザに出力することで,人工エージェントの確信度といった内部状態がユーザに対して直観的かつ正確に伝達されていたのか,つまり二つの機能的要件が満たされていたのか否かを調査する実験環境の構築を行った.具体的には,カーナビゲーションシステムがドライバーに指示を出すといった環境を模倣したビデオゲームを制作し,その際にドライバーとしてのタスクが与えられた実験参加者が人工エージェント(この場合はカーナビゲーションシステム)から表出されたASEが付与された指示音声に従うかどうかを観察するものである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の進捗状況としては本研究課題で行う実験環境の構築が終了した段階であるため,当初の目標と比較すると,計画通りに順調に研究が遂行できているといえる.ただし,実験において参加者に対して情報を提示する人工エージェントのうちどのようなロボットエージェントを使用するのかについては選定が終了していないため,ロボットエージェントの選定および購入についてはカーナビゲーションによる実験と並行しながら具体的に進めていくことに留意したい.

今後の研究の推進方策

平成24年度では,平成23年度に構築した実験環境を用いて実際に認知心理実験を行い,そこで得られたデータを解析する.それにより,設計的要件を満たした人工音としてのASEを実際に人工エージェントからユーザに出力することで,人工エージェントの確信度といった内部状態がユーザに対して直観的かつ正確に伝達されていたのかを観察し,その機能的要件が満たされていたのか否かを確認する.この方策は,研究計画時に予定してたものであるため,本研究課題は順調に遂行されているといえる.

次年度の研究費の使用計画

平成23年度にて選定,および購入が間に合わなかったロボットエージェントを選定および購入し実験環境に導入することで,平成24年度で行う実験を計画通りに遂行することが可能となる.よって,平成23年度で生じた未使用額を平成24年度で使用することは,本研究課題の当初の目標を達成するために必要不可欠であるといえる.また実験を行うに当たって参加者に支払う謝金および実験結果を対外的に公開するための学会および展示会に参加するための旅費などは当初の計上通りに使用する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 対話の低速化とArtificial Subtle Expressionによる発話衝突の抑制2011

    • 著者名/発表者名
      船越孝太郎・小林一樹・中野幹生・小松孝徳・山田 誠二
    • 雑誌名

      人工知能学会論文誌

      巻: 26(2) ページ: 353-365

    • 査読あり
  • [学会発表] Interpretations of Artificial Subtle Expressions (ASEs) in Terms of Different Types of Artifact: A Comparison of An On-screen Artifact with A Robot2011

    • 著者名/発表者名
      Takaknori Komatsu
    • 学会等名
      ACII2011
    • 発表場所
      アメリカ・メンフィス
    • 年月日
      2011 – October10
  • [学会発表] Effects of Different Types of Artifacts on Interpretations of Artificial Subtle Expressions (ASEs)2011

    • 著者名/発表者名
      Takanori Komatsu
    • 学会等名
      ACM-CHI2011
    • 発表場所
      カナダ・バンクーバー
    • 年月日
      2011 – May08
  • [学会発表] Blinking Light Patterns as Artificial Subtle Expressions in Human-Robot Speech Interaction2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Kobayashi
    • 学会等名
      RO-MAN 2011
    • 発表場所
      アメリカ・アトランタ
    • 年月日
      2011 – August01

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公開日: 2013-07-10  

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