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2011 年度 実施状況報告書

言葉遣いの変動に基づく感情推定手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700252
研究機関徳島大学

研究代表者

松本 和幸  徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (90509754)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード感性情報処理 / 脳波計測 / コーパス
研究概要

当該年度は,研究目的である,言葉遣いの変動と感情の変動との関連性を探るために,コーパスの構築のための準備を行った.具体的には,言葉遣いの変動を記述したコーパスを構築するため,対話を記録したコーパスとしてJEITAマルチモーダル対話コーパスを参考にし,台本テキストをもとに発話シナリオを収集したコーパスへの感情タグ付けの方策を考案した.また,コーパスへのタグ付けのためのオリジナルのツールを,新しいコーパス形式に対応させるための改良も行った.また,対話処理や対話コーパス作成に関する研究動向の調査のため,第10回情報科学技術フォーラム(FIT2011)と言語処理学会第18回年次大会(NLP2012)に参加し,コーパスに関するミーティングにも参加した.そのなかで,コーパスを用いた感情推定に関する研究発表も行った.関連分野の研究者からも,当該発表に関心を持ってもらうことができたため,本研究の重要性を再確認することができた.また,本研究の下準備として進めてきた口語文コーパスの構築であるが,当該年度である一定量の収集が完了した.1文単位の口語文を収集し,感情タグやその他のタグ付けを行ったコーパスを,言葉遣いの変動解析用に作成した.現在は,付与した感情タグに基づいて解析を進めているところである.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の予定であった,コーパス構築のための準備はある程度整った.しかし,構築されたコーパスの量がまだ少ないため,感情変動と相関関係の解析にやや遅れが生じている.その理由として,コーパス構築環境の整備(タグ付けツールの改良など)に時間がかかったことと,コーパス構築作業を手伝ってもらう予定であった大学院生の諸事情による作業の遅れがあげられる.達成度としては,約80%であると考えている.残りの20%は,構築したコーパスのまとめ作業と解析作業である.

今後の研究の推進方策

次年度以降は,研究協力をしてもらう予定の大学院生との連携を強化し,より作業のペースアップをはかりたい.また,コーパス構築と相関関係の分析を前半に済ませることにより,遅れを取り戻したいと考えている.また,前年度で構築した口語文コーパスの解析を進めることにより,シナリオ対話文に付与すべきタグの種類の確定が行えると考えている.シナリオ対話文は,短い発話文と長い発話文があり,これらを同じ1文とみなすのでは,タグ付けを適切に行えないことが分かったため,従来の読点で区切る方法ではなく,用言などを目印として発話区切りを別途定義してやることで,文長が長くなり過ぎないようにしたうえでタグ付けを行うようにする.このため,発話区切りを同定する手法を新たに考案する必要があると考えている.また,言葉遣いの違いを文末モダリティや機能表現などに基づいて文体判定することにより同定し,コーパスへのタグ付け支援としての自動タグ付け手法を提案する.これにより,コーパス構築の作業をより効率化できると考えている.

次年度の研究費の使用計画

脳波測定に必要な消耗品(フェルトチップ等)の準備,コーパス構築作業のための研究協力謝金,統計解析用ソフトの準備,また,研究成果発表のための旅費などに使用したいと考えている.また,解析に必要な高性能なマシンおよび,解析プログラム・プロトタイプシステムの開発の効率化を図るため,プログラミングツールの準備も検討したい.具体的には,前年度未使用であった分と合わせて,コーパス構築および実験補助などのための研究協力謝金に使用することを計画している.また,前年度に構築した口語文コーパスに関する研究成果を,雑誌論文としてまとめ,投稿する予定であり,投稿費用などにも用いたい.さらに,言葉遣いの変動コーパスに関する研究成果を国外発表(ヨーロッパの予定)する予定であるため,海外旅費にも使用する予定である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Emotional Vector Distance Based Sentiment Analysis of Wakamono Kotoba2012

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Matsumoto, Kenji Kita, Fuji Ren
    • 雑誌名

      China Communications

      巻: 9 ページ: 99-108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Exploring the Importance of Modification Relation for Emotional Keywords Annotation and Emotion Types Recognition2011

    • 著者名/発表者名
      Yunong Wu, Kenji. Kita, Fuji Ren, Kazuyuki Matsumoto, Xin Kang
    • 雑誌名

      International Journal of Intelligent Engineering & Systems

      巻: 4 ページ: 19-26

    • 査読あり
  • [学会発表] 用例間の類似度に基づく若者言葉の感情推定手法2011

    • 著者名/発表者名
      松本和幸,北研二,任福継
    • 学会等名
      情報科学技術フォーラム(FIT2011)
    • 発表場所
      函館大学(北海道)
    • 年月日
      2011年9月7日
  • [学会発表] Emotion Estimation of Wakamono Kotoba Based on Distance of Word Emotional Vector2011

    • 著者名/発表者名
      Kazuyuki Matsumoto, Kenji Kita, Fuji Ren
    • 学会等名
      7th International Conference on Natural Language Processing and Knowledge Engineering(IEEE NLP-KE2011 )
    • 発表場所
      千秋閣(徳島県)
    • 年月日
      2011年11月28日

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公開日: 2013-07-10  

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