研究概要 |
当該年度においては、オノマトペとドメインの関係について分析を行った。 オノマトペは繊細なニュアンスを表現することに優れている。たとえば、日本語オノマトペ辞典には、やわらかい様子を表すためのオノマトペだけでも71語が掲載されており、"ぐちゃぐちゃ"、"しんなり"、"ふっくら"では伝わるイメージが大きく異なる。また、使用されるドメインによって細かな使い分けがなされる。したがって、オノマトペを機械的に処理するためにはドメインごとの使い分けに関する知識が必要不可欠である。 本研究では、オノマトペと感情の関係の調査に加え、オノマトペ-ドメイン間の関係も明らかにした。研究対象のデータはWeb上に存在する729,865件の商品レビューである。なお、このデータ中の614語のオノマトペの出現頻度を調査したところ、614語のオノマトペのうち、482語が合計で52,212回レビューに出現しており、100回以上出現したオノマトペは82語であった。 オノマトペ-ドメイン間の関係を抽出するため、階層的クラスタリング手法を用いて、オノマトペの出現頻度で商品カテゴリを分類した。その結果、関連性が高いと考えられる商品カテゴリ-オノマトペのペアを978組抽出した。さらに、抽出された978ペアの妥当性を複数被験者によって評価し、658組が適切なペアだと判断された。それらのペアをレコードとする商品カテゴリ-オノマトペデータベースを構築した。 この成果はオノマトペの評判情報抽出への応用に有効であろう。
|