研究課題/領域番号 |
23700258
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
荻野 晃大 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 講師 (40407870)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 感性情報処理 / 感性データベース / ユビキタスコンピューティング / 情報検索 / 情報推薦 / 個人化 / Web / eコマース |
研究概要 |
【研究内容】 本年度は、「感性モデルの類似点・相違点を導出する仕組みの設計と開発」を行った。第1段階として、先行研究により開発した個人のモノ(例:洋服)に対する嗜好を推定するモデル(以後、感性モデル)を用いて、感性モデルの類似点・相違点を導出し、複数人の嗜好に適するモノの属性・属性値を導出する仕組みを開発した。具体的には、被験者実験により得た各被験者のモノに対する嗜好のデータを元に、洋服の持つ特徴(色や形など)とその嗜好の関係を先行研究で開発した感性モデルの生成方法に基づいてモデル化し、個人ごとに嗜好に関する感性モデルの生成を行った。第2段階として、個人ごとに生成した感性モデルを構成する「各個人が重要視している特徴」に関する類似度を計算することで、複数人の感性モデルにおいて共通して重要な特徴を抽出することが出来る仕組みを開発した.【研究意義】 ひとり一人で異なるモノへの嗜好に対応した感性モデルを用いることで、各個人の嗜好に関係するモノの特徴を導出したり、個人の嗜好に適するモノの情報をインターネット上から検索したりすることができる。その上で、子の感性モデルをベースに、感性モデルの類似・相違点を見いだすことにより、Web上から情報を検索する場合において複数人での意思決定が求められる場合(例:インテリアを決める、目的地を決める)において、複数人の満足度の高い情報を得ることを可能にできる。【研究の重要性】 本研究は、スマートフォンやタブレットが普及してきている現在において、インターネット上でモノや場所に関する情報検索を行う機会が増えてきている。このような場合、複数人の嗜好に適するモノや場所に関する情報を手に入れることは難しい。本研究により、利用者の感性モデルの類似性・相違性に適するモノや場所をインターネット上から検索することが可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度は、感性モデルの類似点・相違点を導出する仕組みの開発を研究目的として研究を進めてきた。本研究目的を実現するために、(1) 個人の感性モデル作成のための感性情報の取得と、(2) 感性モデルの類似点・相違点を導出する手法(統合感性モデル)の開発という2つの研究を進展させたが、やや遅れが出ている。以下に理由を示す。(1)に関しては、モノ(洋服)に関する個人の好みを推定する感性モデルを改良するための最低限必要なモノの嗜好データを収集することはできた。しかし、基本となる感性モデルの「個人の嗜好に関連するモノの特徴を推定する」という精度を向上させるためにはまだ収集したデータ量では不足している部分もあるので、引き続きするデータ収集とモデルの改良を行う必要がある。また感性モデルの類似性を判断するためには、多くの人の感性モデルを作成する必要があり、そのデータ収集に遅れが出ている。(2)に関しては、 各個人の感性モデルを構成する特徴をその人の嗜好の特徴とし、各個人の感性モデルを構成する各特徴の相関を分析することにより、全体的な類似性、部分的な類似性を判断する仕組みのプロトタイプを開発した。これにより全体的な嗜好の類似性と部分的な嗜好の類似性を推定することが出来るので、複数人の嗜好に適する情報をインターネット上から検索する事が可能となった。しかし、全体的な類似性と部分的な類似性を判定する仕組みは、当初の目的とした精度を算出できていないのでその改良を行う必要があり、その点においては当初の計画より遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度は、感性モデルの類似点・相違点を導出する仕組みの開発を研究目的として研究を進めてきた。本研究目的を実現するために、(1) 個人の感性モデル作成のための感性情報の取得と、(2) 感性モデルの類似点・相違点を導出する手法(統合感性モデル)の開発という2つの研究を進展させたが、やや遅れが出ている。以下に理由を示す。(1)に関しては、モノ(洋服)に関する個人の好みを推定する感性モデルを改良するための最低限必要なモノの嗜好データを収集することはできた。しかし、基本となる感性モデルの「個人の嗜好に関連するモノの特徴を推定する」という精度を向上させるためにはまだ収集したデータ量では不足している部分もあるので、引き続きするデータ収集とモデルの改良を行う必要がある。また感性モデルの類似性を判断するためには、多くの人の感性モデルを作成する必要があり、そのデータ収集に遅れが出ている。(2)に関しては、 各個人の感性モデルを構成する特徴をその人の嗜好の特徴とし、各個人の感性モデルを構成する各特徴の相関を分析することにより、全体的な類似性、部分的な類似性を判断する仕組みのプロトタイプを開発した。これにより全体的な嗜好の類似性と部分的な嗜好の類似性を推定することが出来るので、複数人の嗜好に適する情報をインターネット上から検索する事が可能となった。しかし、全体的な類似性と部分的な類似性を判定する仕組みは、当初の目的とした精度を算出できていないのでその改良を行う必要があり、その点においては当初の計画より遅れが出ている。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、今年度作成したモデルを実際に適用するシステムの構築とそのための情報収集、そして研究成果を発表するためとして、以下のような使用を計画している。・物品費:今年度での研究においてやや遅れの出ている「感性モデルの類似点・相違点を導出する手法(統合感性モデル)の精度向上」と,次年度のでの研究計画として挙げている「統合感性モデルを利用した情報検索システムの開発」と「 統合感性モデルを用いたユビキタスシステムの開発」に関する開発用ソフトウェア、PC・サーバーやユビキタス端末に関して、今年度からの繰越金を含めた研究費を利用する予定である.・人件費・謝金:感性モデルの精度向上のための被験者データ収集に用いる予定である.・旅費:今年度開催予定であった国際会議(KEER 2012)が、次年度に延期されたのでその学会への参加と、研究に関する情報収集と今年度の研究成果の発表するために、国内学会(感性工学会、情報処理学会)、国際学会(IEEE SMC)等に参加する予算として使用する予定である.・その他:学会参加費や論文投稿料等に使用する予定である.
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