n次モーメントを利用した劣決定信号復元の方法や,その基礎となる最適化問題の性質を検討した. 信号復元では,ソースの疎性と独立性を仮定して2次モーメントを非線形推定し,その結果を用いてさらに各サンプルのソースの生の値を非線形推定する方法を構築した.観測次元を超える数の活動を捉えることに成功した. 最適化問題では,復元手法の設計可能性と設計限界の解明に寄与する2つの定理を証明した.一つは Berge の最大値の定理から,制約条件のコンパクト性を仮定しない定理,もう一つはBergeの逆である小宮の定理から,目的関数の入力引数を減じた定理である.これらはより実際の信号復元問題の状況に近い.
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