研究目的として挙げた内容は「進化的計算における解の局所的な探索と良質な解の破壊を回避することによる解探索の高精度化・高速化を目的としている」であり、その成果として、国際会議での発表とジャーナルへの投稿を行った。 国際会議では、HP Model Protein Folding with Hybrid Algorithm using Genetic Algorithm and Estimation of Distribution Algorithmという題目で発表を行った。本発表の内容は、我々の社会に現実に存在し、かつ、大規模で複雑な問題の一つであるタンパク質の立体構造を推定する問題において、効果的な探索を行うためのハイブリッド化されたアルゴリズムを提案した。タンパク質立体構造推定問題に取り組む意義・重要性は、生命の仕組みの解明だけではなく、病気の原因や治療への応用が期待されていることである。今後は、進化的計算だけではなく、既知のデータベースの活用やデータマイニング・機械学習などの手法の導入も考慮する必要がある。 また、ジャーナルへの投稿は、H24年度の発表でセレクトされたエージェント関連の論文に追加実験を加えるなどしてジャーナルとしての体裁と整え、Development of Ghost Controller for Ms Pac-Man Versus Ghost Team with Grammatical Evolutionという題目で行った。内容としては、H24年度での投稿内容と同様で、進化的手法を用いて自動的にエージェントを生成する手法に関してのものであるが、今後は局所的な解の探索などについての研究が必要である。エージェントへの適用は、大規模になった開発への負担軽減や教育などへの応用などが考えられる。
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