平成23年度はフィードバック線形化手法を用いた区分的双線形モデル予測制御手法の理論構築を行い,入出力線形化手法による区分的双線形モデル予測制御手法の開発,厳密な線形化手法による区分的双線形モデル予測制御手法の開発を行った.本研究の意義,重要性として,区分的双線形モデルにモデル予測制御手法を用いることで,モデル化が容易であることに加えて,種々の制御性能の考慮が容易になり,高度な制御系設計を行うための基礎を構築した点と状態全てに対する線形化と入出力関係に着目した線形化手法による設計手法を開発したことにより,適用できる制御対象のクラスを拡張した点が挙げられる. 平成24年度は区分的双線形モデル制御手法を実際の制御対象に適用するために必要な理論構築を行った。多入力多出力非線形システムに対する区分的双線形モデル制御手法の開発,不確かさを有する区分的双線形モデル制御手法の開発,ルックアップテーブル型制御器設計手法の開発を行った.本研究の意義,重要性として,前年度の提案した制御系設計の基礎理論に加えて,実際の制御対象に適用するために重要な制御系設計手法について提案を行った点が挙げられる. 平成25年度は区分的双線形モデルを用いたフィードバック誤差学習手法を提案した.本手法では脳型フィードフォワード制御器の学習アルゴリズムと制御対象の疑似逆モデルのオフライン同定アルゴリズムを提案した.また区分双線形モデルによる制御性能として,多入力多出力系サーボ制御システムの提案,状態オブザーバとして区分的双線形モデルによる同一次元オブザーバシステム,最小次元オブザーバシステムの提案を行った.本研究の意義,重要性として,従来のフィードバック誤差学習法に比べて計算負荷が低く,操作系の直観的な扱いやすさを実現している.さらに様々な制御系設計に対応するために具体的な制御系設計手法について提案を行った点が挙げられる.
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