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2011 年度 実施状況報告書

密パッチ上の確率モデルによる局所構造をとらえたロバストな多次元信号処理

研究課題

研究課題/領域番号 23700281
研究機関株式会社国際電気通信基礎技術研究所

研究代表者

兼村 厚範  株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 専任研究員 (50580297)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード統計学 / 機械学習 / 脳磁図 / 確率論 / 画像信号処理
研究概要

本研究の目的は、密パッチ上の確率モデルを使用する統計推定による新規な多次元信号処理法を提案することである。密パッチとは、ボクセルパッチ(近傍ボクセル集合)を互いに1ボクセルずつ重ねて敷き詰めたものを意味する。各パッチ内の統計量がランダム変動に対してロバストであり、かつ脳画像の局所構造をよく捉えることができるという利点を活用することで、位置ごとに異なる柔軟な正則化を実現できる。密パッチ情報に基づく3次元信号処理法の実現は,BMI工学や神経科学などへの発展可能性を持つ。 本年度は、画像信号処理における逆問題を主な対象とした。画像信号処理においては、パッチベースのマルコフ確率場モデルを用いているM. Tanaka & M. Okutomi (CVPR, 2008)を基盤とし、信号の局所構造を描写するLARK特徴量(P. Milanfar, IEEE Signal Process. Mag., to appear)を利用して、逆問題であるノイズ除去課題における性能向上を計った。具体的には、従来は類似パッチの探索にはパッチ間の空間的距離が基準とされていたところをパッチに映っている内容を基準とし、またパッチ同士の重み付けを空間的距離からLARK特徴量の距離とした。5種の画像(House, Parrot, Lena, Barbara, Jeans)で性能評価を行ったところ、強い繰り返しパタンを持つJeans画像以外において性能向上が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

密パッチ上の確率モデルを用いた統計的信号処理法として、画像信号処理法の研究を行い、パッチ同士の比較尺度として、単純なユークリッド距離ではなく、パッチの内容に応じたパラメタ推定法を実装したため。

今後の研究の推進方策

今後は、画像信号処理法の研究を発展させるとともに、構造MRI画像および脳磁図のデータ解析を推進する。次年度に使用する予定の研究費が生じた状況は、今年度は主に2次元の画像信号処理に研究対象を制限したことにより、手法寄りの研究を効率的に推進することが可能となり、想定していたより安価な計算機にて充分な計算能力が得られたためである。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、3次元であるMRIおよび脳磁図のデータの効率的な解析のため、高速計算が可能な計算機を導入するとともに、統計推定や信号処理の専門図書および信号解析ソフトウェアを購入する。また、論文発表用の英語添削費や別刷り代も使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A state-space modeling approach for localization of focal current sources from MEG2012

    • 著者名/発表者名
      M. Fukushima, O. Yamashita, A. Kanemura, S. Ishii, M. Kawato, & M. Sato
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Biomedical Engineering

      巻: In Press ページ: N/A

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 確率システムの立場からの画像情報処理技術2011

    • 著者名/発表者名
      前田新一、兼村厚範、石井信
    • 雑誌名

      システム制御情報学会誌 システム/制御/情報

      巻: 55 ページ: 532--538

    • 査読あり
  • [学会発表] MEG電流源のオンライン変分ベイズ推定2012

    • 著者名/発表者名
      兼村厚範
    • 学会等名
      情報統計力学の最前線―情報と揺らぎの制御の物理学を目指して(招待講演)
    • 発表場所
      京都大学 基礎物理学研究所 パナソニックホール(京都府)
    • 年月日
      2012年3月23日

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公開日: 2013-07-10  

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