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2011 年度 実施状況報告書

情報検索におけるメディアイクエーションに関する実験とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 23700283
研究機関愛知教育大学

研究代表者

齋藤 ひとみ  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00378233)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード情報検索 / メディアイクエーション / 擬人化エージェント / 適応ギャップ / オーバーハードコミュニケーション / 協同
研究概要

本研究では,メディアイクエーションの研究アプローチをWeb の情報検索におけるシステムと利用者のインタラクションに適用することを目的としている.今年度は,情報検索にメディアいくテーションを適用するために,人がエージェントの助けを借りながら問題解決を行う場面と,人がエージェントの説得を受ける場面の2つの実験を行い,基礎データの収集を行った.・人とエージェントとの問題解決人がエージェントと協力して問題解決を行う際に,エージェントの能力に対する自己開示と,実際の能力とのギャップがエージェントに対する信頼感や行動にどのような影響を与えるのかを検討した。エージェントのアドバイスを参考にTパズルを解くシステムを作成し,エージェントの自己開示の能力(得意・不得意),実際の能力(高い・低い)を組み合わせた4つの条件を設定して実験を行った.実験の結果,自己開示と実際の能力のギャップが少ない方がよい印象を持つことが明らかになった.・エージェントによる説得説得エージェントが被説得エージェントに説得する様子を見せることで間接的にユーザを説得するオーバーハードコミュニケーションを用い,被説得エージェントの反応を変えることによる影響を検討した.実験では,被説得エージェントの反応を,説得エージェントの説得を全て肯定する条件,全て否定する条件,ユーザの意見に合わせる条件を設定し,4つの話題について説得を行った.説得前後での4つの話題に対するユーザの意見変容を分析した結果,同調条件の方が否定条件よりも肯定的な意見変容が見られた.さらにエージェントに対する印象では,条件によって反応の異なる被説得エージェントだけでなく,説得エージェントの印象も変化することが明らかになった.今後は,これらの結果を踏まえ,メディアイクエーションを応用した情報検索インタフェースの開発を進める.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計画では,23年度にメディアイクエーションの効果を確認するための実験システムを開発する予定であった.しかし,その前に情報検索に関わると思われるメディアイクエーションの要因を検討する実験を行う必要があったため,研究計画を一部変更した.

今後の研究の推進方策

前年度の実験結果から,人とエージェントの共同作業場面におけるエージェントの振舞い方,エージェントによる効果的な説得方法について知見が得られた.しかし,情報検索において,エージェントが人とどのように関わることが有効なのかがまだ明らかになっていない.そこで今年度は,アンケート調査と実験を実施し,人同士が共同で情報検索を行う場面を対象に,検索のどのタイミングでアイデアや情報の共有が行われるのかを明らかにする.アンケート調査では,1人で検索する場合(携帯,PC)と複数で検索をする場合(携帯,PC)について頻度や検索内容を尋ねる.複数で検索する場合については,どんな情報をどのように共有するのかも尋ねる.この調査から,1人の場合と共同の場合との違いや,使用する機器による違いについても検討する.実験では,1つの検索課題を2人で協力して検索する実験を行う.同じ場所でそれぞれがPCを使用して検索を行ってもらう.その際に,2人が課題をどのように分担して作業するのか,また相手の行動にどの程度追随するのか,お互いが見つけたものをどのように共有するのかを分析する.調査・実験と並行して,実験用のWeb サーチエンジンを開発も進める.まずは,比較対象であるbase lineのシステムを開発する.検索部分については,Yahoo! Search API を利用するため,全てのシステムで共通となる.利用者とのインタラクションも.検索キーワードを入力して検索を行い,結果を表示するという部分は,全てのシステムで共通となる.したがって,base line についてはほぼ既存のサーチエンジンと同じものとなる.検索方法について既存のサーチエンジンとあまり大きな差があると,その差が評価に影響してしまう可能性があるので,なるべくgoogleやyahooなどの一般的に利用されるシステムと似たものを作成する.

次年度の研究費の使用計画

研究費は,実験環境の構築と,実験に関わる経費として使用する. 実験環境の構築では,実験用Webサーチエンジンを開発するためのパソコンと実験システムを動かすための実験用Webサーバを購入する.また,システム開発に必要なソフトウェアの購入も行う. 実験に関わる経費としては,共同検索の実験で使用するためにノートパソコンをレンタルする.また,参加者,実験・分析補助者への謝金にも使用する. 研究成果は国内外の学会で報告し,最新動向の把握や意見交換を積極的に行う.そのため,国内外の研究成果発表および英語論文の校閲に使用する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「ネットいじめ」と従来のいじめにおける加害者と被害者の心理2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤建造,齋藤ひとみ
    • 学会等名
      2012年JSiSE学生研究発表会
    • 発表場所
      名城大学 名駅サテライトMSAT
    • 年月日
      2012年3月13日
  • [学会発表] 擬人化エージェントによるオーバーハードコミュニケーション-被説得エージェントの反応の違いによる説得への影響-2012

    • 著者名/発表者名
      朝倉隆博,齋藤ひとみ
    • 学会等名
      2012年JSiSE学生研究発表会
    • 発表場所
      名城大学 名駅サテライトMSAT
    • 年月日
      2012年3月13日
  • [学会発表] 検索システムへのメディアイクエーションの応用に関する予備的検討2011

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひとみ,小川岳流
    • 学会等名
      日本認知科学会第28回全国大会
    • 発表場所
      東京大学 本郷キャンパス
    • 年月日
      2011年9月23日
  • [学会発表] 実習生の子どもに対する分析力および対応力の変化の分析: 教育実習前後による比較2011

    • 著者名/発表者名
      土屋大樹,齋藤ひとみ
    • 学会等名
      日本教育工学会 第27回全国大会
    • 発表場所
      首都大学東京 南大沢キャンパス
    • 年月日
      2011年9月17日
  • [学会発表] 情報検索の前後におけるユーザの知識構造の変化:コンセプトマップを使った分析2011

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひとみ,中島諒,江草由佳,高久雅生,寺井仁,神門典子,三輪眞木子
    • 学会等名
      情報知識学会 第19 回年次大会
    • 発表場所
      香川大学 幸町キャンパス
    • 年月日
      2011年5月28日
  • [学会発表] Changes in Users’ Knowledge Structures Before and After Web Search on a Topic: Analysis Using the Concept Map2011

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Saito, Ryo Nakashima, Yuka Egusa, Masao Takaku, Noriko Kando, Makiko Miwa
    • 学会等名
      The 74th Annual Meeting of the American Society for Information Science and Technology
    • 発表場所
      New Orleans Marriott
    • 年月日
      2011年10月10日
  • [図書] 図書館情報技術論(ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望 2)2012

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひとみ,二村健
    • 総ページ数
      135
    • 出版者
      学文社

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公開日: 2013-07-10  

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