研究課題/領域番号 |
23700284
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三根 慎二 三重大学, 人文学部, 講師 (80468529)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 学術情報流通 / 研究データ / 研究者 |
研究概要 |
本研究は,学術情報流通の3機能モデルに基づいて,他の学術情報メディア・利害関係者,特に研究者と関係づけながら,学術情報流通における研究データの役割を明らかにすることが最終的な目的である。 研究の範囲としては,eScience型の研究がすでに行われている代表的な領域として高エネルギー物理学領域を対象に,現在,スイスの欧州原子物理学研究機構(CERN)で行われている全世界の研究者約3千名が参加する世界最大の加速器であるLHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)のATLAS実験を事例とする。ATLAS実験を対象に,学術情報流通の3機能モデルに基づいて,同実験で研究データがいかに1)認証,2)流通,3)アクセス・保存・キュレーションされているかを,1)研究データに関する調査および2)研究者に対する調査から明らかにする。 最終的には,本研究から明らかになった研究データの役割と伝統的学術情報メディア,特に高エネルギー物理学で重要であるプレプリントおよび学術雑誌との関係の中に位置づけ,学術情報流通における研究データの役割を明らかにする。 平成23年度の研究実績として,全体の調査枠組みを具体的に設定するために,1)研究データに関連する文献の網羅的収集および2)ATLAS実験関連のウェブサイトを含めた網羅的文献調査を行った。その後,学術情報流通の3機能モデルに基づいて,ATLAS実験において,まずどのような研究データが扱われているのかをはじめとして,研究データの1)認証,2)流通,3)アクセス・保存・キュレーションの概要を把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究データに関連する文献が多領域にわたって発表されているため,その収集および分析に想定以上の時間を要した。そのため,本研究で対象としてるATLAS実験を対象とした研究データに関する概要の把握が十分ではないが,来年度の研究の遂行に問題のない範囲で進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は,継続して「ウェブサイトを含む文献調査」を行う。高エネルギー物理学領域は進展が早いため,継続して同領域の関連文献の確認が必要である。「研究データに対する調査」としては,(1)SPIRES-HEPおよびHepData調査において,以下の三点を実施する。すなわち,1)高エネルギー物理学領域で著名な文献データベースであるSPIRES-HEPおよび実験データ登録・公開データベースであるHepDataを対象に,研究データの取扱いについて以下の項目について調査を行い,研究データとデータベース間の連携の有無およびその方法を明らかにする,2)SPIRES-HEPに収録されたATLAS実験によって発表された全文献と研究データとの連携の有無および方法,連携しているデータの種類等,3)HepDataに登録されたATLAS実験のデータの量,種類,識別子,タイムスタンプ,提供内容,メタデータ,他のデータベースとの連携の有無および方法,検索方法等(2)プレプリント・学術雑誌論文の内容分析については,ATLAS実験に基づいた全論文を対象に,論文内での研究データ参照の有無および手法を調査し,プレプリント・学術雑誌と研究データとの関係を明らかにする。(3)電子ジャーナルプラットフォーム調査については,研究データと学術雑誌・出版社との関係を明らかにするために,ATLAS実験に基づいた論文のうち,高エネルギー物理学領域におけるコアジャーナルに掲載された論文を対象に,出版社の電子ジャーナルプラットフォームで,Supplement Data等として研究データが提供されているかを確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度においては,インタビュー調査を実施しなかったため,その分の旅費・文字起こしの予算が未使用となった。「物品費」(15万)として,関連図書に15万円,「国内旅費」(44万)として,研究打ち合わせ・慶應義塾大(年12回)26万円,インタビュー調査に18万円,「人件費・謝金」(20万円)として,調査補助に20万円,その他(10万円)として,インタビュー文字起こしに9万円,複写費1万円を使用する予定である。
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