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2012 年度 実施状況報告書

学術情報流通における研究データの役割に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700284
研究機関三重大学

研究代表者

三根 慎二  三重大学, 人文学部, 講師 (80468529)

キーワード研究データ / 学術情報流通 / 学術コミュニケーション / 大学図書館
研究概要

本研究は,学術情報流通の3機能モデルに基づいて,他の学術情報メディア・利害関係者,特に研究者と関係づけながら,学術情報 流通における研究データの役割を明らかにすることが最終的な目的である。
研究の範囲としては,e-Science型の研究がすでに行われている代表的な領域として高エネルギー物理学領域を対象に,現在,スイス の欧州原子物理学研究機構(CERN)で行われている全世界の研究者約3千名が参加する世界最大の加速器であるLHC(Large Hadron Collider:大型ハドロン衝突型加速器)のATLAS実験を事例とする。ATLAS実験を対象に,学術情報流通の3機能モデルに基づいて,同実験で研究データがいかに1)認証,2)流通,3)アクセス・保存・キュレーションされているかを,1)研究データに関する調査および2)研 究者に対する調査から明らかにする。
最終的には,本研究から明らかになった研究データの役割と伝統的学術情報メディア,特に高エネルギー物理学で重要であるプレプリントおよび学術雑誌との関係の中に位置づけ,学術情報流通における研究データの役割を明らかにする。
今年度は,昨年度に引き続き,研究データに関連する文献の網羅的収集およびATLAS実験関連のウェブサイトを含めた網羅的文献調査を行った。さらに,研究データに対する調査(SPIRES-HEPおよびHepData調査)を実施した。プレプリント・学術雑誌論文の内容分析と電子ジャーナルプラットフォーム調査については,当初の研究計画の見直しを行い,着手したところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度計画していたプレプリント・学術雑誌論文の内容分析と電子ジャーナルプラットフォーム調査について,調査計画の再設定を行ったため,終了できておらず,若干の遅れが見られるが,問題のない程度の遅れである。

今後の研究の推進方策

来年度は,以下の調査を行う。
(1)プレプリント・学術雑誌論文の内容分析については,ATLAS実験に基づいた全論文を対象に,論文内での研究データ参照の有無お よび手法を調査し,プレプリント・学術雑誌と研究データとの関係を明らかにする。
(2)電子ジャーナルプラットフォーム調査については,研究データと学術雑誌・出版社との関係を明らかにするために,ATLAS実験に 基づいた論文のうち,高エネルギー物理学領域におけるコアジャーナルに掲載された論文を対象に,出版社の電子ジャーナルプラットフォームで,Supplement Data等として研究データが提供されているかを確認する。
(3)研究者に対するインタビュー調査については,対象をATLAS実験に参加している日本人研究者3名程度とし,実験参加者の職位やグループ内での位置によって役割が異なるため,若手研究者を中心に国内のATLAS実験参加研究者に対するインタビュー調査を継続して行う。前年度と同様の調査枠組みに基づくが,研究データに対する調査で新たに明らかになった点は,調査枠組みに反映させる。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度においては,予定していた調査を実施しなかったため,その分の謝金の予算が未使用となった。今年度は「物品費」(25万)として,関連図書に15万円,消耗品に10万円,「国内旅費」(39万)として,研究打ち合わせ・慶應義塾大(年12回)26万円,インタビュー調査 に15万円,「人件費・謝金」(20万円)として,調査補助に20万円,その他(5万円)として,複写費5万円を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 図書館情報学2013

    • 著者名/発表者名
      上田修一・倉田敬子編著
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2014-07-24  

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