本研究は、奈良国立博物館が保管する文化財の修理記録『日本美術院彫刻等修理記録』(明治33年~昭和19年)を対象として、デジタルデータによるアーカイブズの形成を目指すもので、実践的作業と並行して方法論についても検討し、文化財にふさわしいアーカイブズのあり方を考究する。博物館やアーカイブズの分野で情報資源構築の方法論として活用されている各種メタデータフォーマットの現状を調査し、本研究で採用する分析・記述項目との対応作業を進めた結果、完成したデータベースは文化財とアーカイブズ資料それぞれに必要な項目とインターフェイスをそなえたものとなり、文化財アーカイブズの貴重な事例として公開することができた。
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