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2012 年度 実施状況報告書

社会情報学的視点からの集合的知識・決定の理論構築と政策形成への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700297
研究機関静岡大学

研究代表者

佐藤 哲也  静岡大学, 情報学部, 准教授 (70322089)

キーワード集合知
研究概要

近年スマートフォンに代表される身近なインターネット環境の普及に伴い、個人の様々な知識を集合的に活用する様々なアプリケーションに対する期待が高まっている。そこで、本研究では、集合知の構成要素についての事例に基づく理論的な検討を、最初のステップとして設定している。その結果、集合知の一つの基盤的要素としては「観測・観察」に代表される、社会的計量技術が重要であることがわかる。これまで、社会的計量技術としては、投票と市場メカニズムにおける価格形成が代表的な技術として君臨しており、それぞれ社会的意思決定における正統性を担保する技術として活用されている。言うまでもなくそれらは投票は政治分野で、また市場メカニズムにおける価格は経済分野で利用される技術ではある。もっとも、今日の情報化社会の文脈では、様々な個人や組織の行動がネット上で観測される(例としてはfacebookのオープングラフ技術)ことから、それらの技術の融合分野における様々な新手法が期待されている。そこで、投票技術と価格形成プロセスを融合させた新しい集合知実験を2011年8月より展開しており、その実証に向けた作業を平成24年度は実施している。ただし、現在のところ実験は不調である。取り組んでくれるユーザが少ないために、満足な実験としては成立していない。そのため、現在は多数のユーザを持つサイトやゲームサイトにてかかる実験に協力してくれるよう調整を行なっている。また、2012年は予想に反して、12月に総選挙が行われたため、総選挙向けのいくつかの実験を行った。その実験中に政策テキストを分析する技術の開発なども並行して行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

投票と価格形成のメカニズムの両方の性質を持ちながら、世論や雰囲気の計量を行う新方式のシステムについては、2011年より実施を進めてきているが、2012年に入り、アルゴリズムの改良を行うなど、一定の範囲で実験の精度を高めてきている。しかし、ユーザ数の獲得に至らず、実験としてはまだ途上の段階にある。また、株式市場型の予測市場技術については、継続して実験の推進に努め、事例としてのデータ収集を取り組んでいる。
それらの実験の成果を踏まえた、集合知モデルの理論化については、様々な観点での事例収集に努め、成果としてまとめている段階である。

今後の研究の推進方策

従来の世論計測システムに関する実験を継続的に実施する。特に、先に述べた投票と市場の両方の性質を兼ね備えた実験については、ユーザ獲得が可能となるよう、大手のサイトなどとの協力により、大規模な実験を考えている。さらに、有権者の意識集約に向けた新しい技術のシードが散見される自体となってきており、その対応を含めた研究開発を行う予定である。特に、最近のトピックとしては、電話による調査、TVRシステムのネット技術との融合が影響のある技術としてあげられる。それらの技術をウエブ側から簡単に操作できることで、今までネットの中で閉じていたさまざまな世論集約手法が、ネットの枠を超えて実施できるようになった影響は大きいと考えられる。それらの新技術への対応を踏まえて、選挙や政治分野での意識計量技術の進展がこれまで以上に求められると考えている。その課題の対応を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

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公開日: 2014-07-24  

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