本研究では、まず単純な二色配色刺激に対する色彩調和感を色の三属性(明度・彩度・色相)から説明するための実験を行った。その結果、不調和刺激では刺激の属性から予測される式の説明力が高いものの、調和刺激では説明力が低下することがわかった。次に機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて、調和刺激と不調和刺激を観察しているときに特異的に活動する脳領域を探索した。調和刺激では内側前頭前野が、不調和刺激では扁桃体が主に活動することが明らかになった。最後に色彩調和を判定している段階のfMRI実験を行い、判断そのものには紡錘状回と下前頭回が関与していることを明らかにした。
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