コミュニケーション時に相手の行動や意図を理解するためには、自己から他者への視点変換が重要な役割を担うが、その脳メカニズムはわかっていない。本研究では自己・他者方向判断課題時の脳波実験によって、前頭連合野と頭頂連合野のシータ波(6Hz)の位相同期が視点変換に関わる可能性を示した。さらに、脳波と空間解像度の高い光トポグラフィを併用することで、運動と視点の重ね合わせ課題を行った。各被験者は自己とは異なる戦略を教示されるとパフォーマンスが低下し、それに伴って前頭連合野のシータ波と光トポグラフィの前頭血流量が増加した。以上の結果は、視点変換に重要であるシータ波のソースが前頭連合野にある可能性を示唆する。
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