研究課題/領域番号 |
23700336
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
杉本 知之 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (70324829)
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キーワード | 統計的推測 / 生存解析 / 確率過程 / Cox回帰 / データ解析 |
研究概要 |
平成24年度に実施した研究の成果は,主として,以下のように纏められる: (1)不完全観測を伴う状況下でのCox型計数過程モデルにおいて生じる2タイプの部分尤度 セミパラメトリック・プロフィール尤度(SPL)と周辺部分尤度(MPL)を結びつけるものを研究した.このときの核となる成果として,ハザード関数上の無限次元積分に対する,Laplace原理の精緻化を行い,Laplace一次近似を用いて,MPLからの推定量がSPLからの推定量に一致するということを導き,さらに,このLaplace近似によって,漸近正規性の結果についても,MPLとSPLの推定量が互いに同等であるという結果を導いた.そして,この理論を生存時間解析で有用なCox型治癒混合モデルに適用した. (2) 前年度からの研究,具体的には,2タイプの部分尤度SPLと疑似部分尤度(PPL)を結びつけるものとして核である,スコア関数の前進と後退からなるマルチンゲール分解の定式化についての研究を,研究論文の形で公表した. (3)地域がん登録資料に対する相対生存率の統計解析のために,セミパラメトリック接近法の精緻化と,樹木構造接近法を開発した.現在,学会発表を準備し,論文投稿の準備を進めている. (4)多変量生存時間データに対して,多変量の相関構造を与えるコピュラ・モデルの特徴を整理し,多変量ログランク検定統計量の漸近性質を研究した.これらの基礎研究を,二つの主要評価項目が生存時間データの場合の臨床研究の研究デザインについて応用し,研究論文の形で公表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
採択当初からの計画に照らし合わせると,研究の進行状況そのものは,おおむね順調に進んでいる.ただし,それらの成果を公表するための研究論文の執筆状況はやや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策は以下のように考えている: (1)2タイプの部分尤度,セミパラメトリック・プロフィール尤度と周辺部分尤度を結びつける研究の成果を,研究論文としてまとめ,公表する. (2)前年度までに得られた別の2タイプの部分尤度,セミパラメトリック・プロフィール尤度と疑似部分尤度を結びつける研究をさらに深め,充実させる. (3)地域がん登録資料に対する相対生存率の統計解析のために,セミパラメトリック接近法の精緻化と,樹木構造接近法の研究の成果を研究論文としてまとめ,公表する.
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次年度の研究費の使用計画 |
・研究成果を国際会議の場で発表するための準備と,渡航料のため,40万程度の海外出張旅費を計上している. ・研究成果を研究論文として公表するための準備にかかる物品費や人件費,文献複写料など消耗品のために,総計40万程度を計上している. ・国内での研究協力者との打ち合わせなどに,30~40万程度の国内出張旅費を計上している.
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