研究課題/領域番号 |
23700339
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
大山 哲司 大分大学, 医学部, 助教 (60574085)
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キーワード | 標本調査 / 層別無作為抽出 / 事前情報 / 補助情報 |
研究概要 |
本研究の目的は、層別無作為抽出法を用いた母集団特性値の推定問題において、過去の調査等により既に得られている目的変数の事前情報と、目的変数と関連のある補助変数とを同時に利用することで、従来の推定量よりも精度の高い推定量を開発し、その応用について検討することである。そのために昨年度は、標本調査の領域でこれまでにどのような研究が行われてきたか調べるとともに、補助変数を利用する従来の結合比推定量、結合回帰推定量に対して事前情報を組み込んだ推定量について検討を行った。 この研究の続きとして、本年度はまず、従来からある補助変数を組み込むキャリブレーション推定量に対し、さらに目的変数の事前情報を組み込んだ推定量を開発することを検討した。当初の計画では事後層化推定量やレイキング比推定量などを検討する予定であったが、これらはより一般的なキャリブレーション推定量に含まれるため、キャリブレーション推定量についての検討を行うこととした。シミュレーションを行って開発した推定量と従来の推定量の精度の比較を行い、有用な推定量であることを確かめた。この成果は学会で発表し、さらに論文として発表することができた。 本年度はさらに、二層抽出法の利用についての検討をはじめた。母集団特性値の推定で補助変数を利用するには、補助変数の母集団特性値の真値が必要となるが、必ずしもそれが得られているとは限らない。二層抽出法はそのような場合に利用される方法であり、調査において問題となる無回答によるバイアスに対処するためにもその考え方が利用されている。開発した推定量を現実の問題へ適用していくための足掛かりとして、二層抽出法の利用についての検討をはじめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定では、本年度は事後層化推定量やレイキング推定量について考察する予定であった。しかし、初年度の比推定量や回帰推定量も含めこれらはより一般的なキャリブレーション推定量として考えることができるため、直接キャリブレーション推定量の検討を行うように計画を変更した。その成果は論文として発表することができ、研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの研究で、事前情報と補助情報を同時に利用した推定量の理論的な枠組みはおおよそ出来上がったと考えている。今後の研究としては、現実の標本調査への適用と、標本調査において生じる無回答例やその他の問題に対する対応について、具体的に検討していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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