研究課題
本年度は,本研究課題「多次元確率分布の主要点に関する研究」の最終年度であり,残されていた課題に取り組み,以下の成果を得た. (1)「主要点における主部分空間定理が成立する確率分布の条件の導出」 二次元正規分布の位置混合分布の2個の主要点(2-principal points)が張る空間と第1主成分ベクトルが張る空間の位置関係を調べ,主部分空間定理が成立する(すなわち,2-principal pointsが第1主成分ベクトルが張る空間上に存在する)ための十分条件,および成立しないための十分条件を示した. (2)「確率分布のパラメータが未知な場合の無作為標本からの主要点の推定問題と主要点の応用に関する研究」 多次元正規分布のn個の主要点(n-principal points)の推定問題について,n-principal pointsがある一直線上に存在するなどいくつかの条件のもと,平均2乗距離の期待値を最小にするn-principal pointsの推定量を導出した.また,アンケートデータなど名義尺度データへの適用を想定した多変量2値分布における2値型principal pointsの推定について,前年度に提案した対数線形モデルを用いて最尤推定する方法において,複数の対数線形モデルの候補から1つを選ぶ場合の規準としてAIC,BIC,尤度比検定を用いた場合の2値型principal pointsの推定精度を調べた.その他,多変量2値分布の変量数が大きいときの2値型principal pointsの推定精度についても議論した. これらの成果について,査読付き論文2編,国際会議発表2回,国内学会発表1回の掲載・発表を行った.また,研究期間全体(平成23~26年度)を通じて,大きくまとめると,「主要点における主部分空間定理の拡張」,「主要点の一意性の成立条件」,「主要点の推定問題」,「主要点の応用」,「主要点の概念の一般化」について成果があり,それらの成果について平成23~26年度を通じて,査読付き論文5編,国際会議発表5回などの掲載・発表を行った.
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)
Communications in Statistics - Simulation and Computation
巻: in press ページ: in press
10.1080/03610918.2014.992541
Total Quality Science
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