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2012 年度 実施状況報告書

問題解決力育成を目指す統計教育の授業運営と評価の枠組み

研究課題

研究課題/領域番号 23700342
研究機関実践女子大学

研究代表者

竹内 光悦  実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (60339596)

キーワード学習指導要領 / 数学教育 / 教材開発 / データの分析 / 資料の活用
研究概要

本年度はこれまでの研究結果を踏まえ,今後の初等・中等教育における統計教育の展開を検討した.特に平成24年度には高等学校数学Iという必履修科目での統計に関する内容が導入されたことから,これまでのヒヤリング調査の結果から現場教員の悩みや問題に対してどのような実態となったかを調査票調査を実施し調べ,今後の教材開発や授業法の構築を計画として考えていた.そこで,全国の公立高校のうち普通科をもつ学校を主に約2,000校に調査票を送付し,実施状況の調査を行った.ただしこの調査は3月を締切として実施したため,3月末の時点ではまだ回答も続いており,データの入力に至っていない.しかしながらいくつかの返送されてきた調査票を確認したところ,質問に対して真摯な回答が多く,また今回の統計教育の導入に関して,好意的な意見はもちろんだが,否定的な意見もあり,今回の調査から課題や問題点をあげ,国際競争力を意識した改善策の提案を次年度以降に提案することの参考にでき,実施自体は大変有用だったと考えている.
また今回の学習指導要領の改訂を踏まえ,統計グラフ教育や問題解決力の育成を踏まえた授業展開も意識し,複数の学会で関連の研究成果を発表した.これらは研究の途中段階での報告ではあったが,会場からは有益なコメントをいただいた.これらも今後参考にする.
関連研究者,教育者間での情報交換としても3月に関連のワークショップを企画し,200人以上の参加者が訪れ,おおむねこの目的としても大いに有用だったと考えている.
加えて,高等学校等の教員を対象とした講演会にも参加することができ,関連の情報提供を行い,また質疑応答等により,現場の状況,教員の危惧等にも触れることができ,本研究としても順調に進んでいると感じた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新しい学習指導要領が実施され,その高等学校における現場の状況を調査することを主に計画していたが,ヒヤリング調査の結果,予想よりも該当項目の授業実施が遅く,調査実施として効果的なタイミングを測っていた.該当する数学における「データの分析」の章が教科書において最後の章になっていることもあり,冬期に実施されたことが現場の教員や研究者から連絡があったため,3月中旬を締切として調査を実施した.このことに対しては,特段の問題はなかったが,3月という送付時期の遅れ,また締切以降でも回答があったために締切を少し伸ばしたこと,また締切を伸ばしたことによるデータの入力のタイミングが遅れたことなどから,「やや遅れている」とした.
一方,現場の教員や関係研究者との情報交換を複数の関連学会等で行うことができた.またそれぞれの学会において,開発したシステムの紹介や授業法の提案や今後の統計教育に関する課題について提案を行い,発表の際には有用なコメントをいただいたことは有益だったと考えている.
また高等学校の教員を対象とした講演会にも参加・講演を行い,現場の先生方の現在の課題や問題点などを直接聞くことができ,またこれらのことは次年度の研究の参考にすることを予定してる.
以上のことから,予定していた調査の実施が遅れ,それらに関連する研究がやや遅れているが,それ以外のシステム等の開発については順調に進んでいることから,おおむね研究は進んでいると判断した.

今後の研究の推進方策

今年度は昨年度実施した調査票調査のデータの入力,分析を行い,基礎資料化を目指す.またこれらの結果をもとに,授業案や教材開発を計画している.特にいくつかの回答の中で見られた現場教員の誤解等に対して,関連学会等で指摘を行い,国際競争力を踏まえ,今度の統計教育の展開を提案していく予定である.また一方で調査結果で判明する現場教員の危惧等に対して何らかのサポートを関連学会等にも呼びかけ,まとめていきたいと計画している.
また研究計画に示したように成果を学会での口頭発表だけでなく,随時ウェブサイトでも公開することを引き続き予定している.特に速報性やネットワーク力を考慮して,SNS等での意見交換も検討している.ただし公表前の情報や個人情報保護については引き続き注意を払う.
加えて,関係研究者や教育者の情報交換の場として3月上旬に関連のワークショップの開催を予定している.このワークショップはこれまでも実施してきたが,特に全面実施を行い,意欲的な授業展開をしている教員との意見交換,情報交換の場として実施し,この分野全体の発展を考えることを考えている.初等・中等学校での実施はもちろんだが,それに合わせて高等教育での実施についても検討する予定である.
今年度は3年目として研究の多くを実施し,次年度の最終年度を迎えるべく,様々なことに対して意欲的に活動する予定である.また資料化,論文化をめざし,ある程度の成果が見えた結果にとしてはまとめていく予定である.

次年度の研究費の使用計画

昨年度完了できなかった調査票調査のデータの入力について謝金等の使用計画を考えている.またその成果についても速報から詳細分析結果など適宜,時期や内容を踏まえて,報告する予定である.そのための旅費や資料作成費を検討している.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (6件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 問題解決を踏まえたグループワーク実習2013

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦
    • 学会等名
      2013 年度数学教育学会春季年会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス(京都府)
    • 年月日
      20130322-20130322
  • [学会発表] データと分布の関係を考える授業展開2012

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦
    • 学会等名
      2012 年度数学教育学会秋季例会
    • 発表場所
      九州大学伊都キャンパス(福岡県)
    • 年月日
      20120919-20120919
  • [学会発表] 新指導要領と大学教育への展開2012

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦
    • 学会等名
      日本行動計量学会第 40 回大会
    • 発表場所
      新潟県立大学(新潟県)
    • 年月日
      20120915-20120915
  • [学会発表] 携帯端末とラーニングシステムを利用した統計教育の展開2012

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦・上村尚史・末永勝征
    • 学会等名
      2012 年度統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      20120911-20120911
  • [学会発表] ICT を活用した統計的思考力育成のための教材開発2012

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦・上村尚史・末永勝征
    • 学会等名
      2012 PC Coference CIEC 研究大会
    • 発表場所
      京都大学吉田キャンパス(京都府)
    • 年月日
      20120805-20120805
  • [学会発表] 誤読グラフを踏まえた統計グラフ教育の展開2012

    • 著者名/発表者名
      竹内光悦
    • 学会等名
      日本計算機統計学会第 26 回大会
    • 発表場所
      香川県社会福祉総合センター(香川県)
    • 年月日
      20120513-20120513
  • [備考] 竹内光悦のウェブページ

    • URL

      https://sites.google.com/site/akitakephd/

  • [備考] 社会情報教育イノベーション研究所

    • URL

      https://sites.google.com/site/jisseniisie/

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公開日: 2014-07-24  

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