研究概要 |
本研究は、遺伝子機能の環境依存性に着目した代謝のロバスト性機構の解明を目的として、大腸菌の野生株と欠失株を対象にPhenotype MicroArray で測定されたデータに対し、無限関係モデル(IRM)とよばれるバイクラスタリングのアルゴリズムを適用した [1]。さらには、グルコース培地という環境条件に限定することで,解糖系を中心としたエネルギー代謝の数理モデルの計算機上に構築し、シミュレーションにより遺伝子の変異や欠失の影響を分析した [2]。加えて,代謝ネットワークを構成する酵素反応の比較法を提案した[3]。一方で,pgl-1欠失株に着目し、欠失株と野生株に対して、生育温度環境の違いに着目した2D-DIGEとLC-MS/MS、RT-PCRによる実験を行うことで、欠失株において、タンパク質やmRNAの発現量が大きく変動する遺伝子群を特定した[4]。そして、得られた技術を応用する形で、さまざまな共同研究を進めた[5,6]。 研究実績:[1] 杉澤仁, 伊藤將弘, 遠里由佳子, 立命館大学紀要, 2013, [2] Y. Tohsato, et al., Genes, 2013, [3] Y. Matsuta, Y. Tohsato, et al., Bioinformatics, 2013, [4] Yukako Tohsato, et al. J. Proteomics, 2012, [5] M. Ito, Y. Tohsato. et al., Genes to Cells, 2012, [6] H. Kojima, Y. Tohsato, Glycoconjugate Journal 2012.
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