大脳聴覚野機能研究は従来、麻酔下或いは拘束動物で行われていた。本研究から我々は自由行動ネコを使い始めた。Go/NoGo課題によりネコに断続音と連続音の弁別行動をするよう訓練した。ネコの大脳一次聴覚野と高次聴覚野に多数の慢性電極を植え込んで、タスク実行中に聴覚野の神経活動電位を記録した。神経反応と行動との関係を分析し、断続音と連続音の判断に関する神経反応パターンを同定した。更にネコが能動的に音声信号を弁別する時と受動的に音声を聞く時に各脳領域の神経活動電位を記録した。この二つの条件下の神経反応を比べ、聴覚注意状態における各領域の神経活動への影響を明らかにした。
|