研究概要 |
これまでの解析により膜タンパク質5T4や転写因子Npas4が、嗅球介在ニューロンにおいて、神経活動依存的に発現していることを明らかになった。そこでレンチウイルスによる発現系を用いて5T4とNpas4分子の嗅球介在ニューロンの発達における機能解析を行った。解析の結果、5T4分子を過剰発現すると嗅球介在ニューロンの樹状突起の枝分かれが促進された。逆に5T4ノックアウトマウスでは嗅球介在ニューロンの樹状突起の枝分かれが減少していた(吉原ら, J. Neurosci. 32, 2217, 2012)。一方、Npas4分子を過剰発現すると嗅球介在ニューロンの樹状突起に存在してシナプス形成を行っているスパインと呼ばれるトゲ状の構造形成が促進された。逆にNpas4ノックアウトマウスでは嗅球介在ニューロンのスパイン密度が減少していた(吉原ら、未発表データ)。以上の解析から膜タンパク質5T4が神経活動依存的に嗅球介在ニューロンの樹状突起の分枝を制御すること、及び、転写因子Npas4が神経活動依存的に嗅球介在ニューロンのシナプス形成を制御することが明らかになった。
|