研究課題
若手研究(B)
感覚入力は網膜、大脳皮質及び嗅球などの脳の様々な神経回路形成に必要であることが報告されてきているがその分子メカニズムについては不明な点が多い。本研究では成体においても常に新生され新たな神経回路を形成し続けている嗅球介在ニューロンの神経活動依存的な発達の分子機構について解析を行った。片鼻を閉じて匂い刺激を遮断すると嗅球介在ニューロンの樹状突起の枝分かれの長さが短くなり、枝分かれの数が減少することが明らかになった。さらに、DNA マイクロアレイ及び in situ hybridization による解析の結果、ロイシンリッチリピートを持った膜タンパク質である5T4 の発現が嗅球介在ニューロンにおいて神経活動依存的に制御されていることが明らかになった。レンチウイルスを用いて 5T4 を嗅球介在ニューロンにおいて強制発現すると嗅球介在ニューロンの樹状突起の枝分かれが促進された。また、5T4 ノックアウトマウスにおいては嗅球介在ニューロンの樹状突起の枝分かれが野生型に比べて減少していた。これらの結果から 5T4分子は嗅球介在ニューロンにおいて神経活動依存的に樹状突起の枝分かれを制御する分子であることが明らかになった。
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Journal of Neuroscience
巻: 32 ページ: 2217-2226
http://www.naramed-u.ac.jp/~amrc-lab1/