研究課題
培養細胞,初代神経培養を用いた細胞免疫染色法でDJ-1の細胞内局在を検討したところ,Rab3Aおよびsynaptophysin(SYP)と共局在した.また,マウス脳のシナプトソーム画分をショ糖密度勾配法で分画し,各種小胞マーカーの抗体およびDJ-1抗体を用いてウェスタンブロッティング法で検討し,免疫染色と同様にRab3AおよびSYPに局在する事を確認した.リコンビナントDJ-1蛋白は細胞膜やシナプトソームのplasma membraneに結合する事を明らかにした.さらに変異型DJ-1が膜結合能への変化を検討したところ,L166P変異体はplasma membraneへの結合能が低下していた.Immunoisolation法で,DJ-1が局在しているシナプス小胞を分離し検討したところ,SYPと同じ小胞に局在していた.DJ-1がシナプス小胞に局在し,実際にどのような機能に関わるかを検討する目的でFRET法を用いてSYPとDJ-1がliving cellで相互作用するかどうかを検討した.DJ-1の一部は少ないながらも確実にSYPとFRET現象を起こすことが確認され相互作用することがわかった.この現象は細胞内で顆粒状に認められており小胞上で相互作用する可能性が示唆された.SynaptophysinおよびRab3Aはエクソサイトーシスされる小胞に局在する事が知られている.つまり,これらの蛋白と共局在し相互作用することはDJ-1が放出機能に関わると考えられ,L166P変異DJ-1は膜への結合が低下することが病態に関与している事が考えられた.本研究成果はNeurobiology of Disease誌に掲載された.Usami Y, Hatano T, Imai S et al. Neurobiology of Disease 2011;43:651-652
1: 当初の計画以上に進展している
当初の計画以上に進展し,DJ-1がシナプス小胞に局在する事を示し,エクソサイトーシスに関わる蛋白,小胞に関連することを明らかにした.この結果はNeurobiology of diseaseに掲載された.
家族性パーキンソン病関連蛋白の中で膜輸送と関連する可能性のあるものに関してdrosophila modelを用いて検討し,そこにDJ-1が関わるか検討していく
Drosophila modelを解析するために試薬,抗体を購入する.
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Neurobiology of Disease
巻: 43 ページ: 651-662
doi:10.1016/j.nbd.2011.05.014
Internal Medicine
巻: 50 ページ: 2163-2168
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