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2011 年度 実施状況報告書

レム睡眠を生じる分子基盤の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23700403
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

林 悠  独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, 研究員 (40525812)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード神経科学 / 遺伝学
研究概要

私たちヒトの睡眠は一様な生理状態ではなく、その最たる例が、夢を生じることで知られるREM(急速眼球運動)睡眠である。REM睡眠は一部の鳥類と哺乳類でしか見られないことから、何らかの高次な脳機能に関わることが期待される。本研究では、分子生物学的手法によりREM睡眠中枢細胞の特性や細胞系譜を明らかにすることで、このような生理状態を生じるメカニズムや進化的プロセスの解明に挑んでいる。平成23年度は、以前にREM睡眠中枢細胞に選択的に発現することを明らかにした遺伝子のノックアウトマウスを作製した。また、新たに候補遺伝子を得るために、REM睡眠中枢細胞と周囲の脳領域の遺伝子発現パターンを比較するcDNAマイクロアレイ解析を行った。次年度以降にこれらのノックアウトマウスや新たに得られた候補遺伝子の解析を行うことで、REM睡眠の制御機構を分子レベルで解明するとともに、この領域を人為的に操作するだめの遺伝学的ツールが得られると期待される。また、REM睡眠中枢細胞がどのような細胞系譜に由来するかを解明することで、REM睡眠の進化的起源の解明に貢献できると考えられる。これまでに、タモキシフェン感受性DNAリコンビナーゼCreERT2を発現するトランスジェニックマウスを利用した細胞標識方法により、REM睡眠中枢細胞の発生過程の観察を行った。その結果、これらの細胞は覚醒を司る細胞の一部と由来が近いことが判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

申請書において提案した平成23年度の研究計画の二つの項目、「遺伝子組み換えマウスの作製」および「新たな候補遺伝子の探索」を達成できた。さらには、平成24年度の研究計画の項目である「REM睡眠中枢の形成過程の解析」の大部分も本年度中に実施した。

今後の研究の推進方策

これまで予定通り進んできたので、申請書において提案した平成24年度以降の研究計画に従い、引き続きノックアウトマウスや候補遺伝子の解析を進めるとともに、REM睡眠中枢細胞の発生過程の解明に取り組む。

次年度の研究費の使用計画

脳波測定に必要な電気生理実験の消耗品に主に利用する。また、脳波測定による膨大なデジタルデータを保存・管理するための電子機器も購入・管理にも使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Genetic analysis of thalamic non-specific nuclei in sleep and higher order brain functions2011

    • 著者名/発表者名
      安田光佑、林悠、田中三佳、糸原重美
    • 学会等名
      第34回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011年12月15日

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公開日: 2013-07-10  

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