本研究では、これまで生理機能が全く分かっていなかった自閉症感受性遺伝子Auts2 が、Rho ファミリーG 蛋白質Rac1 やCdc42 シグナル伝達を制御し、アクチン細胞骨格系を再構成することによって、神経発生過程における神経細胞移動や神経突起形成など、神経系発生に重要な役割を果たしていることを明らかにした。また、Auts2 ノックアウトマウスを用いた社会的行動測定テストでは、野生型マウスに比べて自閉症様行動を示す傾向にある事も見出した。今後このノックアウトマウスが、新たな診断法や治療法の開発のためのモデルマウスとして貢献することが期待される。
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