研究課題
A. 発生期の視床大脳皮質経路形成におけるFLRTファミリー蛋白質の機能解析:FLRT2は視床皮質路が通過する近傍の線条体にて強く発現している。したがって、胎生15日齢のFLRT2ノックアウトマウスの視床および大脳皮質にDiIを注入し、視床皮質路および皮質視床路の可視化を行った。その結果、約半数のノックアウトマウス視床皮質路においてミスプロジェクションが観察された。また、皮質視床路においてもFLRT2ノックアウトマウスにおいてミスプロジェクションが観察された。この結果はFLRT2が視床皮質路をガイダンス分子としてナビゲートする役割があることが明らかとなった。B. FLRTのフォワードシグナリングの解析:昨年度、Unc5D陽性である神経芽細胞株SH-SY5Y細胞をFLRT2刺激することによって観察された40 kDaと175 kDaのチロシンリン酸化シグナルの同定を質量分析系によって用いて行おうと試みた。サンプルを濃縮する為に培養規模を拡大し抗リン酸化チロシン抗体を用いて免疫沈降したところ、再現性が得られず残念ながら同定ができなかった。C. FLRTのリバースシグナリングの解析:FLRT2が受容体として機能している可能性を考え、蛍光ラベルしたUnc5D精製蛋白質を基質として、大脳皮質神経細胞の初代培養を用いたストライプアッセイを行った。24時間後、大脳皮質神経細胞はUnc5Dに対して強い反発作用を示した。この結果からUnc5ファミリー蛋白質がリガンドとして機能しうることが明らかとなった。
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