研究課題
若手研究(B)
ラット大脳皮質運動関連領野への視床入力には、視床前腹側核-外側腹側核(VA-VL) と内側腹側核(VM) からのものが存在する。我々は以前に、VA-VL核はさらにinhibitory input-dominant zone (IZ) とexcitatory subcortical input-dominant zone (EZ) に分けられ、小脳からの情報はEZを経由し、基底核情報はIZを介して皮質に伝達されることを示し、さらにIZとEZで皮質投射様式が異なることを明らかにした。本研究では、IZと同様に基底核情報を担うVMについて検討し、1) VMには運動関連領野に主として投射するニューロンと、前頭前野に強く投射するニューロンの2群が存在する、2) VMニューロンの軸索の78%が皮質1層に分布したが、これはIZニューロンの54%よりも高率である、などの所見を得た。次に、高次運動関連領野と考えられる前頭前野と関連が深い、背内側核(MD) について調べた結果、57-97%の軸索が前頭前野の中間層に分布した。さらに、運動性視床核のニューロンから皮質パルブアルブミン陽性インターニューロンに対するシナプス入力の解析を行ったところ、一部の終末様構造が実際にシナプス結合の形成が可能なほど近接している部位が見つかった。
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