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2011 年度 実施状況報告書

脱髄関連因子KLK6を介した多発性硬化症発症機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23700436
研究機関旭川医科大学

研究代表者

板東 良雄  旭川医科大学, 医学部, 講師 (20344575)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードオリゴデンドロサイト / セリンプロテアーゼ / 脱髄 / EAE
研究概要

[目的] オリゴデンドロサイトが発現する脱髄関連プロテアーゼ(Kallikrein 6: KLK6)に着目し、KLK6を介した多発性硬化症(MS)の発症機序を解明する。具体的には、野生型マウスおよびKLK6 KOマウスにマウスMSモデルであるEAEを誘導し、EAE発症時におけるKLK6を介した脱髄分子機序の全貌を解明する。[実験成果] KLK6 KOマウスでは、EAE発症時にら浸潤する炎症細胞数が少ないことを見出した。そこで、Evans blue色素をマウス尾静脈から注入し、BBB破綻を可視化したところ、KLK6 KOマウスでは、BBBの破綻が有為に抑制されていることが確認できた。また、リコンビナントKLK6(rKLK6)とリコンビナントpro-MMP-9をin vitroで反応させ、ウェスタンブロット法によりMMP-9の活性化を検討した結果、少なくともin vitroではKLK6がBBB破綻の原因となるMMP-9を活性化しうることを明らかにした。さらに、炎症部位のミクログリアにおいてMMP-9の発現が認められたため、初代培養ミクログリアを採取し、rKLK6を培地に添加した際のMMP-9の発現変化をRT-PCR法にて検討したが、KLK6は直接ミクログリアに作用してMMP-9の発現を増強する訳ではないことが明らかとなった。[意義] 本研究により、現在まで未解明だった病態の本質的な部分である脱髄の分子機序のうち、KLK6を介した脱髄機序の一部が明らかとなった。これらの結果はKLK6がMSの新しい治療法や診断法の標的分子となり得る可能性を示唆するものであり、MSに対する基礎研究や治療法開発の戦略に新しい切り口を提供出来ると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

特に大きなトラブルもなく、研究計画書の計画通りに順調に遂行できており、KLK6を介した脱髄分子機構の一端が明らかとなった点は評価できる。また、当初予想していた通りの実験結果を得ることもできており、先行データの結果に基づいた研究計画を綿密に立てている点も評価できる。

今後の研究の推進方策

計画書に従い、順調に研究を遂行していく。具体的にはKLK6の基質候補であるPAR2蛋白に着目し、脱髄時におけるKLK6からの細胞内シグナル伝達機構を明らかにする。また、研究成果を査読付き国際雑誌に掲載できるようにする。

次年度の研究費の使用計画

前年度と同様に1. 形態学的解析などに使用する試薬や消耗品の購入2. 動物実験に係る費用(マウス購入ならびにEAE作成に使用する試薬等)3. 学会に参加し、研究成果を公表ならびに国際誌への投稿に関する費用などに使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The regulatory function of Kallikrein 6 in experimental autoimmune encephalomyelitis.2011

    • 著者名/発表者名
      板東良雄、村上公一、田中達英、吉田成孝
    • 学会等名
      第34回日本神経科学学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県)
    • 年月日
      2011.9.14-9.17

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公開日: 2013-07-10  

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