脱髄関連因子であるKLK6のノックアウトマウスを用いて多発性硬化症モデル(EAE)を誘導したところ、発症が遅延し症状も軽減した。また、組織学的検討によりKLK6ノックアウトマウスでは血液脳関門が比較的維持されており、末梢からの炎症細胞の浸潤が抑制されていることが明らかとなった。さらに、血液脳関門の破綻や脱髄への関与が示唆されているMMP-9の活性化にKLK6が関与していることを見出した。これら一連の研究成果はKLK6が多発性硬化症発症の鍵となる因子であり、治療戦略の標的分子となり得る可能性を示唆するものと考えられた。
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