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2013 年度 実績報告書

グリア細胞情報発信の空間制御メカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23700442
研究機関山梨大学

研究代表者

篠崎 陽一  山梨大学, 医学工学総合研究部, 講師 (10443772)

キーワードアストロサイト / グリア瘢痕 / 脳傷害 / 神経保護 / ATP / P2Y1受容体
研究概要

本研究課題では神経細胞の変化に応じて生じるグリア細胞の方向性を持った反応メカニズムの解明を目的として研究を行った。脳梗塞など脳障害時においてアストロサイトは梗塞部位に向かって突起を伸長すること、傷害された細胞や死細胞からはATPなどのヌクレオチドが放出される事が知られている事から、特にP2受容体に着目して解析を行った。In vitro 傷害モデルを用いた薬理学的解析から、P2受容体はアストロサイトの反応を抑制的に制御しており、その責任受容体はP2Y1受容体である事が明らかとなった。続いて、物理的脳損傷モデルを用いてin vivoでの役割を検討した。P2Y1受容体ノックアウトマウスを作出して解析を行ったところ、傷害後のアストロサイト活性化が促進されていた。これに伴い、傷害部位に形成されるグリア瘢痕のサイズは野生型に比べて小さかった。また、傷害を受けたニューロンの数はP2Y1受容体ノックアウトマウスで有意に小さかった。これらよりP2Y1受容体の発現及び機能阻害がアストロサイト活性化の促進並びに神経保護作用につながることが明らかとなった。P2Y1受容体による作用が本当にアストロサイトを介したものであるかをテトラサイクリン制御性トランス抑制因子(tTS)の遺伝子を組み込んだマウス及びtTSで制御されるプロモーター(tetOプロモーター)下でP2Y1受容体発現が抑制されるマウスを掛けあわせることによってアストロサイト選択的にP2Y1受容体をノックアウトしたマウスを作出した。アストロサイト選択的にP2Y1受容体をノックアウトすると、全身P2Y1受容体ノックアウトマウスと同様にグリア瘢痕形成の促進並びに神経保護作用が観察された。以上から、アストロサイトに発現するP2Y1受容体がダイナミックにグリア瘢痕形成を調節することで脳障害後の神経保護作用に寄与することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Purinergic signaling-regulated glial scar formation2013

    • 著者名/発表者名
      Youichi Shinozaki, Schuichi Koizumi
    • 学会等名
      XI European meeting on glial cells in health and diseases
    • 発表場所
      ベルリン、ドイツ
    • 年月日
      20130702-20130706
  • [学会発表] Astrocytic P2Y1 receptor regulates glial scar formation2013

    • 著者名/発表者名
      Youichi Shinozaki, Schuichi Koizumi
    • 学会等名
      Neuro2013
    • 発表場所
      国立京都国際会館、京都
    • 年月日
      20130620-20130623
  • [備考] 山梨大学医学部薬理学講座

    • URL

      http://www.med.yamanashi.ac.jp/clinical_basic/pharmaco/

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公開日: 2015-05-28  

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