研究課題
生物における神経組織構築においては、1)神経細胞の分化、2)個々の神経細胞の適切な領域への分布、3)神経細胞同士もしくは神経-投射先組織間での適切なシナプス形成が必須となる。このような神経回路構築の過程での異常が統合失調症などの精神神経疾患、もしくは自閉症(広汎性発達障害)の一因である可能性が現在示唆されつつある状況である。本研究では精神神経疾患との関連が遺伝学的に示唆されているタンパクであるSeptinファミリー分子(Sept1~Sept14)に着目し、その分子機能および作用機序の解析を行った。これまでに研究代表者らは特定のSeptinファミリー分子、Sept4とSept14が大脳皮質興奮性神経細胞の遊走過程に機能的に関与することを明らかにしている(Shinoda et al, 2010)。また予備的な結果として、F-actin結合タンパクであるDrebrin-1およびCofilin-1をそれぞれSept4およびSept14の相互作用候補分子として同定し、Drebrin-1のADF motifがSept4と直接結合することを見出した。またCofilin-1がSept14と直接結合することも確認できた。この結果はSept4-Sept14複合体が異なるF-actin結合タンパク間の‘足場’として機能する可能性を示した。また誕生・異動過程の興奮性神経細胞でDrebrin-1の発現抑制実験を行った結果、Drebrin-1がSept-4, Sept-14,cofilin-1と同様にその遊走過程において重要な役割を果たしていることを見出した。
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Neuroscience Research
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http://www.takaki-miyata-lab.org/