小脳の信号処理機能を知るために、本研究では麻酔下のラットを用いて、小脳の背側傍片葉領域とcrus II領域における機能局在と信号処理機構を調べた。背側傍片葉領域では、強固な視覚刺激に対する応答があり、顆粒細胞を介した信号がプルキンエ細胞に単純スパイクを発生させることが確認された。Crus II領域においては、口唇部の触覚刺激に対して強固な応答があった。この領域の顆粒細胞と大脳皮質体性感覚野の細胞群から同時記録を行ったところ、4~5Hzの周期的な活動が同期していることが見出された。さらに、この活動は橋核ニューロンのバースト発火によって伝達されていることを明らかにした。
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