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2012 年度 実績報告書

大脳皮質における異種グリア細胞間連関の解析

研究課題

研究課題/領域番号 23700480
研究機関生理学研究所

研究代表者

加藤 剛  生理学研究所, 発達生理学研究系, 助教 (20586705)

キーワード神経細胞 / ミクログリア細胞 / 2光子顕微鏡
研究概要

本研究では当初ミクログリア細胞の異種グリア間連関に関する新しい知見を得ることを目的とした。グリア細胞は神経細胞の活動依存的にシナプス伝達効率を修飾したり(アストロサイト)、シナプスの刈込みに関与すること(ミクログリア)などが明らかとなって来ておりグリア細胞間連関の解析に際し神経細胞の介在を考慮することは重要と考えられる。そのためまず神経活動依存的なニューロンに対するミクログリア細胞の介入を2光子顕微鏡法を用いて観察を行うこととした。ミクログリア細胞が蛍光標識されているIba-1 EGFPマウスから大脳皮質スライス標本を作製し、2/3層錐体細胞においてシャドウパッチクランプ法(Kitamura k et al., 2008)を適応し、ニューロンを蛍光標識すると同時に経電極的に電流注入を行い、頻回の活動電位を励起させた。この神経活動量に依存的に神経細胞軸索の容積増大が生じ、容積変化量に応じてミクログリア細胞突起の軸索への集積を確認することが出来た。樹状突起においては軸索で認められるような容積増大およびミクログリア突起の走化性変化は認められなかった。また軸索の容積増大によりミクログリア突起の化学的誘引物質の局所的な放出が予想された。薬理学的検討の結果、容量依存性陰イオンチャネルとこれを放出経路とするグルタミン酸およびATPの関与が示唆された。ミクログリア細胞のグルタミン酸感受性に関しては2光子グルタミン酸アンケージングの手法を用いて更に検討を行った結果、形態学的特徴とグルタミン酸感受性に関連性が有る可能性が明らかとなった。過剰興奮を来した神経細胞軸索は細胞体での過分極を伴う非常に大きな膨張をきたすことが有るが、ミクログリア細胞の軸索への接触や貪食により膜電位の再分極が認められることから、これらの介入は神経細胞障害性ではなくむしろ保護的に作用することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] In vivo imaging of enteric neurogenesis in the deep tissue of mouse small intestine.2013

    • 著者名/発表者名
      Goto K
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 8 ページ: e54814

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0054814

    • 査読あり
  • [学会発表] Microglial respond to activity-induced axonal swelling to rescue neurons from irreversible damage.

    • 著者名/発表者名
      加藤 剛
    • 学会等名
      CRESTミーティング 脳神経回路の形成・動作原理の解明と制御技術の創出
    • 発表場所
      東京 ベルサール神保町
  • [学会発表] 活動電位発生に伴うミクログリア細胞突起の軸索への介入

    • 著者名/発表者名
      加藤 剛
    • 学会等名
      自然科学研究機構プロジェクト 合同シンポジウム 「脳神経情報の階層的研究」「機能生命科学におけるゆらぎと決定」
    • 発表場所
      岡崎 生理学研究所
  • [図書] 中枢神経系の2光子励起in vivoイメージング(in vivoイメージング実験プロトコール)2012

    • 著者名/発表者名
      稲田 浩之
    • 総ページ数
      251
    • 出版者
      羊土社

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公開日: 2014-07-24  

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