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2012 年度 実績報告書

全方向スパイン計測解析法の開発と前頭前野神経細胞スパインの解析

研究課題

研究課題/領域番号 23700496
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

向井 秀夫  埼玉医科大学, 医学部, 助教 (20534358)

キーワードシナプス / スパイン / オキシトシン
研究概要

本年度ではスパイン可視化のより良い手段を前年度に引き続き探求した。スパイン(シナプス後部)は脳の神経細胞ネットワークにおいて中心的な役割を担っている。前年度に使用を想定していた量子ドットが予想に反して十分な発光が得られなかった等の問題があったが、検討を重ね発光の特性が共焦点顕微鏡の観察・測定に適しているものを見出した。現在これを用いて神経細胞の可視化を検討してきており、今後克服すべき課題も見出されたが近い将来解決可能と思われ、3次元可視化のための新規な方法として論文を準備中である。
また、計画に記載した前頭前野の神経細胞スパインとオキシトシンに関する研究の実行過程において、驚くべきことに実はオキシトシンの脳実質内濃度はよくわかっていないことが判明した。内在性および外部から投与したオキシトシンの濃度が定量できなければ、オキシトシンの効果を見定めることは難しい。しかし現在用いられている方法は非常に不十分なものであった。よって、まずオキシトシンの定量法の開発に努めた。具体的には放射性標識されたオキシトシンを用いることにより、定量作業中に失われる分を考慮したオキシトシンの正確な濃度を決定する方法の確立に成功した。現在の研究以外への波及効果(ヒト試料にも適用可能)も大きいと考えられ、現在、論文を投稿準備中である。
さらに、前頭前野神経スパインの機能解析を試みた。スパインが変化した結果、シナプス機能が変化することが前頭前野の機能発現上非常に重要と考えられる。そのため、多電極でシナプス活動による局所電場電位を測るための測定系を構築した。現在までに予備的な結果を得つつある。年度末での研究代表者の転任により再構築が必要であるが、今後オキシトシンによるシナプス機能の変化の測定を重ねさらに発展することが見込まれる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Modulation of synaptic plasticity in the hippocampus by hippocampus-derived estrogen and androgen2012

    • 著者名/発表者名
      Ooishi Y, Kawato S, Hojo Y, Hatanaka Y, Higo S, Murakami G, Komatsuzaki Y, Ogiue-Ikeda M, Kimoto T, Mukai H
    • 雑誌名

      The Journal of steroid biochemistry and molecular biology

      巻: 131(1-2) ページ: 37-51

    • DOI

      DOI:10.1016/j.jsbmb.2011.10.004

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Corticosterone induces rapid spinogenesis via synaptic glucocorticoid receptors and kinase networks in hippocampus2012

    • 著者名/発表者名
      Komatsuzaki Y, Hatanaka Y, Murakami G, Mukai H, Hojo Y, Saito M, Kimoto T, Kawato S
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 7 ページ: e34124

    • DOI

      DOI:10.1371/journal.pone.0034124

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Estradiol rapidly rescues synaptic transmission from corticosterone-induced suppression via synaptic/extranuclear steroid receptors in the hippocampus2012

    • 著者名/発表者名
      Ooishi Y, Mukai H, Hojo Y, Murakami G, Hasegawa Y, Shindo T, Morrison JH, Kimoto T, Kawato S
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex

      巻: 22(4) ページ: 926-936

    • DOI

      DOI:10.1093/cercor/bhr164

    • 査読あり
  • [学会発表] Mathematical and automated analysis of dendritic spines from confocal laser microscopy images2012

    • 著者名/発表者名
      向井秀夫
    • 学会等名
      北米神経科学学会(SfN)
    • 発表場所
      ニューオーリンズ国際会議場、アメリカ
    • 年月日
      20121013-20121020
  • [学会発表] 新規な神経スパイン解析プログラム2012

    • 著者名/発表者名
      向井秀夫
    • 学会等名
      生物物理学会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20120924-20120924
  • [学会発表] 前部帯状回皮質における神経振動の誘導法の検討2012

    • 著者名/発表者名
      向井秀夫
    • 学会等名
      2012年度包括脳夏のワークショップ
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      20120725-20120727

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公開日: 2014-07-24  

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