モデルマウスを用いた熱ショック転写因子HSF2による神経変性疾患抑制機構の解析

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23700512
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 実験動物学
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 林田 直樹 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40420517)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: 熱ショック因子 / 転写 / 神経変性疾患 / H3K4トリメチル化 / クロマチン / プロモーター / HSF1 / ポリグルタミン病

研究概要

熱ショック転写因子(熱ショック因子)HSF2 は、哺乳類では 4 種類存在する熱ショック因子群の1つであり、脳神経に高発現している熱ショック因子である。しかしながら、熱などのストレスに対して HSF2 が細胞防御能を有するかはわかっていなかった。本助成事業により研究代表者は、神経変性疾患であるポリグルタミン病に関して、その原因蛋白質が引き起こす細胞内凝集を HSF2 が抑制することを突き止めた。また、HSF2 は独自の転写活性化機構を有し、変性蛋白質の分解に関与する遺伝子群を誘導することによって、細胞内凝集を抑制するという機構を見出した。

研究成果

• [雑誌論文] RPA assists HSF1 access to nucleosomal DNA by recruiting histone chaperone FACT (2012)
  • 著者名/発表者名: Fujimoto, M., Takaki, E., Takii, R., Tan, K., Prakasam, R., Hayashida, N., Iemura, S., Natsume, T., and Nakai, A.
  • 雑誌名: Molecular Cell 巻: 48 ページ: 182-194
  • DOI: DOI:10.1016/j.molcel.2012.07.026
  • 査読あり
• [雑誌論文] Heat shock factor 2 is required for maintaining proteostasis against febrile range thermal stress and polyglutamine aggregation (2011)
  • 著者名/発表者名: Shinkawa, T., Tan, K., Fujimoto, M., Hayashida, N., Yamamoto, K., Takaki, E., Takii, R., Prakasam, R., Inouye, S., Mezger, V., and Nakai, A
  • 雑誌名: Molecular Biology of the Cell 巻: 22 ページ: 3571-3583
  • DOI: DOI:10.1091/mbc.E11-04-0330
  • 査読あり
• [雑誌論文] Transcriptional cooperativity regulated by heat shock transcription factor (2011)
  • 著者名/発表者名: Hayashida, N., Fujimoto, M., and Nakai, A
  • 雑誌名: Transcription 巻: 2 ページ: 91-94
  • 査読あり
• [学会発表] HSF1-ATF1を介するp300/CBPのリクルートはクロマチン弛緩に必要ない (2012)
  • 著者名/発表者名: 瀧井良祐、藤本充章、高木栄一、譚克、Prakasam Ram、松浦優基、林田直樹、中井 彰
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] HSF1-RPA複合体は腫瘍形成に必要である (2012)
  • 著者名/発表者名: 藤本充章、高木栄一、瀧井良祐、譚克、Prakasam Ram、松浦優基、林田直樹、中井 彰
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] ミトコンドリア一本鎖DNA結合タンパク質は熱ショック応答を促進する (2012)
  • 著者名/発表者名: 譚克、藤本充章、瀧井良祐、高木栄一、Prakasam Ram、松浦優基、林田直樹、中井彰
  • 学会等名: 第85回日本生化学会大会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] 熱ショック転写因子HSF2はWD40蛋白質WDR5と相互作用する (2012)
  • 著者名/発表者名: 林田直樹、藤本充章、高木栄一、瀧井良祐、Ramachandran Prakasam、譚克、家村俊一郎、夏目徹、中井 彰
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] 熱ショック因子HSF4のリン酸化を増強する因子の同定 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高木栄一、林田直樹、瀧井良祐、譚克、Prakasam Ram、松浦優基、家村俊一郎、夏目徹、藤本充章、中井 彰
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121214-16
• [学会発表] アノールトカゲHSF遺伝子群の分子クローニングと機能進化 (2012)
  • 著者名/発表者名: 松浦優基、藤本充章、高木栄一、瀧井良祐、譚克、Prakasam Ram、伍方緒、牧野能士、河田雅圭、林田直樹、中井 彰
  • 学会等名: 第35回日本分子生物学会
  • 発表場所: マリンメッセ福岡(福岡)
  • 年月日: 20121211-14
• [学会発表] Heat shock factors negatively regulate the inflammatory response (2012)
  • 著者名/発表者名: Akira Nakai, Ryosuke Takii, Naoki Hayashida,Eiichi Takaki, and Mitsuaki Fujimoto
  • 学会等名: The 11th International Congress of Hyperthermic Oncology, The 29th Japanese Congress of Thermal Medicine
  • 発表場所: ハイアットリージェンシー京都(京都)
  • 年月日: 20120828-31
• [学会発表] HSF1を介するATF1-p300/CBPのリクルートは熱ショック応答の減衰を促進する (2012)
  • 著者名/発表者名: 瀧井良祐、藤本充章、高木栄一、譚克、Prakasam Ram、林 田 直 樹 、中井 彰
  • 学会等名: 生命素子による転写環境とエネルギー代謝のクロストーク制御(転写代謝システム) 平成24年度班会議
  • 発表場所: つくばグランドホテル(つくば)
  • 年月日: 20120702-04
• [学会発表] MAMMALIAN HEAT SHOCK FACTOR 1 GAINS ACCESS TO NUCLEOSOMAL DNA BEFORESTRESS-MEDIATED ACTIVATION (2012)
  • 著者名/発表者名: Mitsuaki Fujimoto, Eiichi Takaki, Ryosuke Takii,Ramachandran Prakasam, Ke Tan, Naoki Hayashida, and Akira Nakai
  • 学会等名: Cold Spring Harb Symp Molecular Chaperones & Stress Responses
  • 発表場所: Cold Spring Harbor (New York) , USA
  • 年月日: 20120501-05
• [学会発表] 熱ストレスに対するミトコンドリアホメオスタシスの維持機構 (2012)
  • 著者名/発表者名: 譚克、藤本充章、瀧井良祐、高木栄一、Prakasam Ram、松浦優基、林田直樹、中井彰
  • 学会等名: 第118回(平成24年)山口大学医学会学術講演会
  • 発表場所: 山口大学医学部霜仁会館(宇部)
  • 年月日: 2012-08-26
• [学会発表] ATF1による熱ショック応答の誘導と減衰の調節 (2011)
  • 著者名/発表者名: 瀧井良祐、藤本充章、Ramachandran Prakasam、譚克、高木栄一、家村俊一郎、夏目徹、林田直樹、中井 彰
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜)
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] HSF1-RPA複合体はヌクレオソーム構造をとるDNAにアクセスする (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤本充章、高木栄一、瀧井良祐、Prakasam Ramachandran、譚克、林田直樹、家村俊一郎、夏目 徹、中井 彰
  • 学会等名: 第34回日本分子生物学会
  • 発表場所: パシフィコ横浜(横浜)
  • 年月日: 2011-12-13
• [学会発表] ATF1は熱ショック蛋白質の誘導に必要である (2011)
  • 著者名/発表者名: 瀧井良祐、藤本充章、Ramachandran Prakasam、譚克、高木栄一、家村俊一郎、夏目徹、林田直樹、中井 彰
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都国際会館(京都)
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] HSF1-RPA複合体はHSP70遺伝子へのRNAポリメラーゼのプリロードに必要である (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤本充章、高木栄一、瀧井良祐、Prakasam Ramachandran、譚克、林田直樹、家村俊一郎、夏目 徹、中井 彰
  • 学会等名: 第84回日本生化学会大会
  • 発表場所: 京都国際会館(京都)
  • 年月日: 2011-09-21
• [学会発表] Loss of HSF2 function accelerates the accumulation of misfolded proteins upon proteotoxic stress (2011)
  • 著者名/発表者名: Naoki Hayashida, Ke Tan, Toyohide Shinkawa,Mitsuaki Fujimoto, Eiichi Takaki, Ryosuke Takii,Ramachandran Prakasam, Valerie Mezger, and Akira Nakai
  • 学会等名: Loss of HSF2 function accelerates the accumulation of misfolded proteins upon proteotoxic stress
  • 発表場所: Barga, Italy
  • 年月日: 2011-07-20
• [備考]
  • URL: http://ds22.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~seika2/