インプラント表面と骨組織とのギャップを補填する技術としてバブル様スキャフォールドの開発を行ってきた。平成24年度までに、in vitroで形成された骨梁様組織の形態的特徴は、気泡のサイズに一定程度依存することを確認しており、骨芽細胞樹立株MC3T3-E1細胞と共に1週間培養したところ、骨梁状に分布した基材に沿って細胞が配向していることを確認した。平成25年度では、骨梁様担体が気泡サイズに依存することから、生体適合性を有する材料(セルロース、キトサン等)を添加して気泡安定性について引き続き実験的な検討を行い、気泡生成率や強度の改善が認められた。さらに、開発した顕微鏡下リアルタイム観察用せん断刺激システムを用いた組織応答性についても検討を行い、骨梁様基材上で骨芽細胞がカルシウム応答性を示し、機械的刺激伝達能を有することを確認した。動物実験に関して、ラット下肢への埋植方法に骨組織埋植部位の大きさに制約があるため、方法を調整しているところであり、今後研究を進めて報告していく予定である。
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