本研究は,細胞機能の発現過程における細胞の動的形態および細胞内で発現する生体分子を時間的・空間的に可視化することを可能とする細胞機能イメージング用ナノニードルアレイの開発を行うことを目標として実施した. 今年度は,SICMおよびSNOMの同時計測を実現可能とするシステムの検討を行った.昨年度に開発したナノニードルアレイはニードル間の位置が固定された状態であることから,細胞へのアプローチ時に他のニードルが細胞へダメージを与えることが懸念された.そのため,ナノニードルを個別駆動することを検討した.その際,これまではイオン電流の計測に際してニードルを励振させる方式の評価を行ってきたがデバイス構造が複雑化するため,交流電圧印加による信号の変調方式についての評価をSPICEモデルを用いて行った.その結果,作製するナノニードルにおいて,印加する交流電圧が100Hz以下ではクロストークの影響が小さく適用可能であることが示されたが,さらに高周波で変調を行うためには,ニードル励振による変調方式が重要であることが示された.
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