生体の組織再構築において重要な役割を果たしている力学環境を組織および細胞スケールで定量化するための計測手法を開発し,血管新生過程の基質再構築を明らかにした.細胞スケールでは第2高調波発生顕微鏡で可視化したコラーゲン基質画像を基にした変形解析を行った,組織スケールではX線CT画像を基にした計算モデルを構築して,血管壁の変形を数値解析した.解析結果は組織・細胞スケールで不均一な分布を示しており,階層ごとに適したモデル構築の必要性を確認できた.また,本研究で開発した手法が階層を超えたマルチスケール解析の基礎技術としての有効性が示せた.
|