研究概要 |
離散化壁面の駆動による動的再構成可能な微小流体チップは,一般的な微小流体の動的再構成法と比較して,駆動できる対象が多いため,多様な検体に対応できるという利点がある.しかし,毛細管力によりピンの間隙を介して外部と液絡する問題(吸い出し)と,メニスカス力により,隣接するピンがつられて動く問題(重ね送り)がある.そこで,重ね送りを防ぎつつ適切に液体をシールする方法として,加熱プローブと温度により粘度変化をもたらすピン間封止材を開発した.具体的には,ポリオレフィン混合体にシリカ系ならびにフッ素樹脂系のフィラーを混合することにより,ピン駆動時の封止剤加熱中にも粘度が過剰に低下せず,かつ駆動対象のピン近傍のみ有意に粘度を低下させられるフィラーの組成を見出した.次に,上記の微小流体チップを用いて,異なる組成のアクリルアミドゲルを,1つの流路内に隣接させ,かつ互いに混合することのないようにパターニングすることにも成功した.
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