研究課題/領域番号 |
23700550
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
佐田 悠輔 独立行政法人国立循環器病研究センター, 循環動態制御部, 流動研究員 (70570258)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 国際情報交流 |
研究概要 |
本研究の目的は、心不全病型に応じたβ遮断薬治療の効果と限界をシステム工学的視点より神経調節機構の解明を通じて明らかにすることと、β遮断薬で治療し得ない脳異常をバイオニック治療により是正できるかを検討するものである。これまでに病態モデルラット:腎性高血圧ラット、腎不全ラット、高血圧性心不全ラット、心筋梗塞性心不全ラットを作成し、その循環調節機構の異常を同定した。腎性高血圧ラットは8週令のオスSDラットを用い、背側切開により両側の腎動脈を露出し、完全結紮しない程度に調節したクリップを使って両側腎動脈狭窄を作成した。術後4週間の経過で徐々に高血圧を呈し、約5週間で定常となった。腎不全ラットは8週令のオスSDラットを用い、麻酔下に両側肋骨弓下を開腹し、左腎動脈の起始部から2~3 mmの部位をナイロン糸で結紮して腎梗塞を作った。右腎は摘出した。高血圧性心不全ラットは、自然発症高血圧ラットが40週齢を超えると心不全症状を呈してくることから、これを用いた。心筋梗塞ラットは、8週令のオスSDラットを用い、ラットを麻酔下に開胸し、左冠状動脈の基部から2~3 mmの部位をナイロン糸で結紮して急性心筋梗塞を作る。予備実験の結果、この心筋梗塞の作成法で左心室の40~50%が心筋梗塞となり、約2週間の観察で心室のリモデリングや心不全が起こることが確認されている。今後、それぞれの病態モデルに対して自律神経介入治療を行い、循環システムの異常が是正できるか確認する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病態モデルラットの作成に時間を要したが、ほぼ計画通りに遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに作成した病態モデルラットに対して自律神経介入治療を行い、循環システムの異常が是正できるか確認する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
病態モデル作成のための動物や実験器具、薬剤に使用する。自律神経治療に関しては薬剤を用いる場合とデバイスによる治療を計画している。デバイス治療に関してはこの分野で先行するオーストラリアに情報収集に行き、手技を学び、機材を購入する必要がある。
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