高圧ねじり加工を施した生体用β型チタン合金(Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr合金)に形成される、エッチング溶液により腐食されない相(特異相)が、母相よりも優れた耐食性を示す原因について検討した。試料中の元素濃度分布を分析した結果、特異相と母相とで構成元素の分布状況に違いが認められ、特異相部は母相部に比べて元素濃度分布が均一であった。この均一な元素濃度分布は、高圧ねじり加工による強力な機械的攪拌効果により得られたと考えられ、特異相部が母相部よりも優れた耐食性を示す主要因となっていると考えられる。
|