研究概要 |
本研究では、細胞のみからなる3次元組織の生体外構築に向けて、反磁性を利用した3次元細胞アセンブリデバイスを開発する。本手法は,培養液に強磁性体化合物を溶解することで細胞を相対的に反磁性体と見立てて、非標識で同時に大量の細胞の集積を可能にするものである。平成23年度においては,MRI造影剤として用いられている各種ガドリニウム化合物の細胞毒性を評価および,円柱形状に細胞を凝集させるためのデバイスの設計および試作を行った. 以下のMRI造影剤3種(gadoteridol (Gd-DO3A-HP), gadoterate meglumine (Gd-DOTA), gadopentetate dimeglumine (Gd-DTPA)を用いてその毒性の評価を行った.これらの造影剤をDMEM培地に終濃度が0, 20, 40, 80 mMとなるように溶解し,細胞活性をWST-1を用いて,12時間ごとに評価した.ただし,このとき,培地中のNaClを減らすことで,造影剤に添加による浸透圧の上昇を防いだ.その結果,80 mM添加時において,ProHanceの毒性が最も低いことが確認出来た. 次に,円柱形状に細胞を凝集させるためのデバイス作製に向けて,有限要素法による磁場解析を行い,その結果に基づき2対の電磁石からなるデバイスを作製した.本デバイスにより,磁化率が細胞とほぼ同等の蛍光ビーズを中心に凝集させることができることを確認した.
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