研究課題/領域番号 |
23700562
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
赤坂 恵理 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (20597562)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ES細胞 / iPS細胞 / 歯形成細胞 / in vitro組織再構成 |
研究概要 |
iPS細胞は、自家移植が可能で多分化能を有し、かつ細胞増殖も活発なため、それを用いた再生医療への応用が期待される。歯学領域でもiPS細胞を用いた歯の再生が待望されているが、まだ実現していない。その要因として、歯形成が複雑な細胞間相互作用で進むため、in vitroでの歯の再生には様々な因子を検討する必要があるからである。本研究課題では、このようなin vitroでの問題を回避し、マウスES細胞をヌードマウス精巣内に移植し、形成された奇形腫を初代培養し、in vitroで組織再構成を行うという独創的な方法を用い、当該細胞に由来する3次元構造を持つ歯の形成を行う。歯形成細胞特異的に蛍光タンパク遺伝子を発現するプラスミドを作製し、これらをマウス ES 細胞株に遺伝子導入し、組換えES細胞を作製する。この細胞に歯形成誘導のための処理を施し、細胞集合体をヌードマウス精巣内に移植し、奇形腫を作製する。奇形腫を初代培養系に移し、in vitroでES細胞由来の歯組織を含む組織再構成体を得る。歯組織再構成体をヌードマウ上顎骨と精巣内に移植し、3次元構造を持つ歯が形成されるかどうか、癌の再燃があるかどうかを検討することが目的である。平成23年度の研究成果としては、Ameloblastとodontoblastの歯形成細胞に特異的に蛍光タンパクを発現するプラスミドを構築した。さらに現在、pOEINと新規作成2種のプラスミドをマウスES細胞E14株にnucleofectionシステム(Lonza)を用いて遺伝子導入し、G418/Hygromycin B/puromycinの3重選別により、最終的にpARP, pDCH, pOEINの3種を内蔵する組換えES細胞を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝子導入後の薬剤の選別によるpARP, pDCH, pOEINの作成にやや手間取っているものの、研究の進展に関しては、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
nucleofectionシステム(Lonza)により遺伝子導入を試みているが、導入効率が低い可能性があるため、導入効率が良いelectroporation systemにて遺伝子導入を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
得られた組換えES細胞を、ヌードマウス精巣内へ移植し、奇形腫を作製する。組み換えES細胞をそのまま移植する群(対照群)、組み換えES細胞をLIF不在下懸濁培養して得られた幾つかの初期分化細胞を含む胚様体を移植する群(実験-1群)、胎齢14日目の胎仔歯胚に由来する単一化した上皮細胞と間葉系細胞とES細胞とを混合したものを移植する群(実験-2群)、既に樹立されたラット由来 ameloblast 細胞株とES細胞を混合したものを移植する群(実験-3群)、BMPやGDF11等の成長因子を染み込ませたバイオマテリアルとES細胞とを混合したものを移植する群(実験-4群)で検討する。さらに歯形成が確認された奇形腫を、ハサミでバラバラにほぐし、更に細胞分散剤で処理する。消耗品費:遺伝子工学実験、細胞工学実験、動物購入等の消耗品は、本研究遂行上必須である。旅 費:国内の各種学会への発表・参加するための旅費と資料収集のための旅費も計上している。謝金、その他:免疫組織化学、H-E染色、RT-PCR解析等は、その経験がある大学院生に補助をお願いする予定である。そのための謝金を計上している。その額は学内の規定に従う。また、論文作製のため論文の校閲とジャーナルへの論文投稿費を計上している。
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