研究課題
本研究の目的は,乳房超音波検査における病変の鑑別診断を支援するコンピュータ支援診断(CADx: Computer-aided Diagnosis)システムの開発の基礎研究を行い,その臨床応用への可能性を検討することである.本研究では,まず,病変形態(画像特徴)を定量化する手法の確立において,9病変形態に対する医師の主観的印象の基礎データ(0~1)を得るために,3名の医師が参加した観察者実験(6を実施した.そして,各病変形態において複数の定量化手法を定義し,医師3名の主観的印象データの平均と形態的特徴量の相関が最も高くなる定量化手法を選択した.65病変に対する主観的印象データと形態的特徴量の相関値を求めた結果,0.70~0.88が得られた.次に,9形態的特徴量を用いた重判別分析により,病変を4病理組織型(浸潤がん,非浸潤がん,線維腺腫,嚢胞)に識別するアルゴリズムを構築した.形態的特徴量の基礎データを得るために使用した65病変とは異なる298病変を用いて,分類実験を実施した結果,浸潤がん88.4%(76/86),非浸潤がん80.6%(29/36),線維腺腫86.0%(92/107),嚢胞84.1%(58/69)の正答率が得られた.乳房超音波画像診断において,病理組織型の可能性を提示することの有用性を評価するために,医師7名が参加した観察者実験を実施した.sequential-test methodによるROC分析により,観察者実験結果を評価した結果,すべての観察者のROC曲線下の面積(AUC)は,CADxを使用することにより向上した.そして,全観察者のAUCの平均は,CADxを用いない場合の0.716から,CADxを用いることにより0.864に増加し(P = .006),その有用性が示唆された.
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (5件)
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